研究課題/領域番号 |
07458120
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
遊磨 正秀 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (80240828)
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研究分担者 |
中井 克樹 滋賀県琵琶湖博物館, 学芸員
成田 哲也 京都大学, 生態学研究センター, 助手 (40025440)
中西 正己 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (60025434)
和田 英太郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40013578)
川那部 浩哉 滋賀県琵琶湖博物館, 館長 (60025286)
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キーワード | 琵琶湖 / 環境変動 / 生物群集 / 富栄養化 / 在来種 / 外来種 |
研究概要 |
琵琶湖は世界有数の「古代湖」のひとつであり、固有の生物を育んでいるが、近年、さまざまな人為改変や外来生物の侵入などにより、その環境・生態系は大きく変容した。しかしその実態に関してはほとんど情報がないため、現時点で生物群集の構造を明らかにすることは、きわめて重要性・必要性の高い研究課題である。 琵琶湖には現在、70種ほどの魚類が生息している。この中には、深くて広い北湖湖盆に生息場所を広げることによって種分化した固有種が含まれている一方で、オオクチバスやブルーギルをはじめとする琵琶湖以外より移入した魚種も含まれている。ところが、これらすべての魚種は、繁殖場所として必ず湖岸部や内陸部の水域を利用する。湖岸部や内陸部の水域は古くから稲作地帯として開発されており、多くの魚類は水田系環境にうまく順応して生活してきたようだ。しかし、その環境はこの2、30年再び様変わりし、それにともなって水田地帯を利用していた魚類群集、さらには湖の魚類群集も変化したと考えられる。このように、琵琶湖の生物群集の変化には、琵琶湖内の環境変動のみならず、周辺部の環境変動も重要な要因となっている。これは、湖と周辺部を移動している魚類において顕著なことであり、かつ魚類は湖の生態系におけるトップダウン効果の主役になっていることから、湖周辺部から湖内部へ魚類を介した生物的影響がかなりあると予想される。今後は湖内外の環境変動と湖の生物群集の関係をいっそう明らかなものにする予定である。
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