研究概要 |
これまでに個々の研究者によって,さまざまな様式でまとめられているデータを規格化し,時系列データとして同じ方法の解析が可能なデータベースを構築する試みを開始した.マレーシア・サラワクのランビル国立公園において,熱帯雨林の内部に設置された気象ステーションによる微気象観測(10分間隔)と,600個体の植物を対象に月2回の展葉・開花・結実のフェノロジー調査,および月1回の灯火トラップ法による昆虫個体数変動のモニタリングを平成4年以来継続中であるが、本研究では、気象と植物フェノロジーのデータを京都大学大型計算機センターにSASファイルとしてデータベースを構築した。昆虫個体数変動のデータベース化は、標本同定と同時進行で次々とリストのバ-ジョンアップが行われるためにかなり難航しているが、科レベル、ギルドレベルでの変動の1年目データの一次解析は、すでに論文として発表した。また、新熱帯との比較で、パナマのバロコロラド島の気象観測データを入手し、環境解析法の検討を開始した。ここで得られたデータの様式を基準にして,インドネシア・スマトラや屋久島,京都の時系列データを最も情報量を多く生かしたままで比較可能な形式でまとめ,さまざまなフィールドステーションでこれまで独立にモニターされているデータの取り扱い方式を確立させる予定である。
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