研究課題/領域番号 |
07458129
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
池田 哲夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50005253)
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研究分担者 |
秩父 志行 近畿大学, 医学部, 教授 (40088539)
石井 直広 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50004619)
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キーワード | 直流磁場 / 蓄積効果 / 強磁場 / 曝磁量 / 生体磁場影響 / 心電波形 / 心拍数 / 泥鰌 |
研究概要 |
平成7年度においては、次の点に重点をおいて研究を行った。本研究の初年度であり、従来行ってきた研究、実験を全面的に見直し、特に心電波形を正確に描かせるような注意を行った。研究の内容は、特に磁場の蓄積性を明らかにするべく、実験を繰り返した。時間間隔を空けた磁場の照射、つまり間欠的な磁場照射により、磁場の影響が蓄積される事を明らかにした。従来の磁場の影響は一過性であって、生体が記憶することはないとされてきた事に対する新しい知見である。 平成8年度は、広帯域オシロスコープを用いて、アベレ-ジングを行い、雑音を取り除いた正確な心電波形を得た。従来の実験は心拍数に注目したものであり、心拍数が曝磁直後に減少する結果を得ていた。しかし、波形に注目すると、曝磁直後に振幅が現象する結果が得られた。正常なヒトでは、心電波形に異常がある場合には、長期間に亘る生存は困難であって、この実験結果をヒトと単純に比較することは出来ない。 平成9年度は、更に詳細な実験を行い、曝磁直後でも、心電波形の0を横切る面積、つまり活動電位の総和、活動している心筋細胞の数はほとんど変化していない事を明らかにした。心室筋細胞が一斉に脱分極出来なくなった事を示しており、血圧の低下が生じているものと考えられる。強磁場に晒される事が、長時間に及ぶ場合には、心拍数の低下、血圧の低下が長時間に亘って生じ、生命活動維持に重大な危機をもたらすものと考えられる。 これらの実験結果は、従来の磁場が生体に及ぼす影響と考えられていた現象とは大きく異なる全く新しい知見であり、電磁場の生体影響に関する新しい分野を開くのものと考えられる。
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