研究課題/領域番号 |
07458136
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大垣 眞一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20005549)
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研究分担者 |
大瀧 雅寛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70272367)
山本 和夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60143393)
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キーワード | 副生成物 / 紫外線照射 / 殺菌残存性 / フミン質 / バイオインデックス |
研究概要 |
本研究では、紫外線照射後の副生成物について有機塩素化合物の場合と、自然水を用いた場合について調べた。特に自然水を対象として用いた実験では、紫外線殺菌効果の残存性について調べた。 有機塩素化合物は紫外線によって光分解を受けやすい。これら数種の有機塩素化合物を用いた実験においては、反応生成物として脱塩素による塩素イオンの生成とそれにともなうpHの低下が確認された。しかし、TOCの減少がおそく、完全酸化にはいたっていないと考察された。 自然水中に含まれるフミン質を対照とする実験では、標準物質を対象とした系での、フミンの分解はほとんど確認されなかった。既存の研究ではフミンを含む自然水に紫外線照射を行った場合、殺菌効果が残存するという報告がなされている。そこで本研究では、水道原水として使用される河川水を用いて、紫外線の殺菌残存効果を調べた。殺菌としてE.coliを、ウイルスとして大腸菌ファージQβをモデル微生物として用いた結果、紫外線照射を通常の殺菌処理の10〜20倍程度に行った場合でも、これらの微生物に対する殺菌効果の残存性は確認されなかった。また、同じ河川水を0.1μmの膜孔径を持つ精密濾過膜で濃縮した試料水においても実験を行ったが、殺菌効果の残存性は確認されなかった。 また、水中微量有機物の評価手法として微生物の増殖量を用いるBRPによる測定法を確立した。この手法を用いて、紫外線照射後の溶存微量有機物の挙動を、把握する可能性が示された。
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