今年度は、紫外線照射処理における殺菌力の残存性について実験をおこなった。使用したランプは低圧紫外線ランプと中圧紫外線ランプの2種類である。水道原水として使用される河川水を用いて、紫外線の殺菌残存効果を調べた。細菌としてE.ccliを、ウイルスとして大腸菌ファージQβをモデル微生物として用いた結果、紫外線照射を通常の殺菌処理の10〜20倍程度に行った場合でも、これらの微生物に対する殺菌効果の残存性は確認されなかった。また、同じ河川水を0.1μmの膜孔径を持つ精密濾過膜で濃縮した試料水においても実験を行ったが、殺菌効果の残存性は確認されなかった。 また、フミンの分解をTHMFP(トリハロメタン生成能)によって評価した。また、様々な触媒の存在下での変化を比較した。触媒としては二酸化チタンと鉄を用いて行った。結果としては中圧ランプ単独照射、二酸化チタンによる反応においてTHMFPが一旦増加し、減少する現象が観測された。これは、オゾン酸化においても観測される現象であり、有機物の低分子化が起こったことを示唆するものと考えられる。
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