研究課題/領域番号 |
07458149
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
高橋 健治 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (70011533)
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研究分担者 |
小島 正樹 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (90277252)
井上 英史 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (20184765)
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キーワード | 胃・腸管系プロテアーゼ / プロガストリン分解プロテアーゼ / ヘプシン / ペプシノーゲン / α_2マクログロブリン / プロリルエンドペプチダーゼ / トリプシン / αキモトリプシン |
研究概要 |
1.ブタ胃幽門部粘膜より精製したVIP特異的分解プロテアーゼおよび細胞内トリプシンについて、さらに詳しい分子的、酵素的性質の検索を行った。 2.上記研究との関連において、ブタ大脳膜分画よりプロガストリン(88-101)ペプチドを選択的に分解する新規な膜結合性金属プロテアーゼを見出し、精製と性状検索を行った。本酵素は分子量約76,000で、プロガストリンペプチドのほか、BAM-12Pおよびブラジキニンをかなり時異的に分解することが判明した。最適pHは6.5で、活性発現に0.001%以上の界面活性剤の存在を必要とした。本酵素は神経ペプチドやペプチドホルモンの前駆体のプロセシングに関与している可能性がある。 3.ラット肝臓ミクロソームの膜結合性セリンプロテアーゼの精製法を改良し、そのペプチド鎖構成および部分アミノ酸配列の検索を行い、これが従来cDNAレベルから存在が予想されていたが正常組織からは単離されていなかったヘプシンと同一物であることを始めて証明した。 4.本研究に関連する研究として、カメ(Triorix sinensis)およびマグロ(Thunnus thynuus orientalis)の胃粘膜よりペプシノーゲンを精製し、諸性状を検索した。カメペプシノーゲンは9個のイソ型に分離し、一部は糖を含んでいた。1個のイソ型のcDNAを単離し、分析したところ、構造的にはA型ペプシノーゲンに属することが判明した。一方、マグロペプシノーゲンについては、主成分についてタンパク化学的手法により全一次構造を決定し、37残基のプロ配列と323残基のペプシン部分からなることを示した。一次構造的にはA型ペプシノーゲンに近く、サブサイト域を中心に特徴的な配列を持つことが明らかになった。 5.正常のヒト血清中のα2マクログロブリンが有意の量のトリプシン類似セリンプロテアーゼを含むことを明らかにし、その基質特異性が従来既知のトリプシン型プロテアーゼとは異なることを示した。この結果は、この酵素が血中において生理活性ペプチドの分解に関与する可能性を示唆している。 6.ブタ卵胞液よりプロリルエンドペプチダーゼを精製し、性状を肝酵素と比較、検索した。 7.高アルカリ性(pH12.8)において、トリプシンはArg-X結合のみを、またαキモトリプシンはPhe-X結合を選択的に切断することを示した。
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