研究概要 |
1.胃幽門部粘膜(ブタ)よりVIP(asoactive Intestinal Polypeptide)をかなり特異的に分解する新規な膜結合セリンプロテアーゼ及び膵臓トリプシンと一次構造がほとんど同一な新規膜結合性細胞内トリプシンを単離,精製し,分子的,酵素的諸性状を明らかにした。 2.十二指腸cDNAライブラリー(ラット)よりエンテロペプチダーゼcDNAを単離,クローン化し、その全一次構造を塩基配列より推定し、三本鎖構造を明らかにした。 3.大脳膜分画(ブタ)よりプロガストリン(88-101)ペプチドを選択的に分解する新規な膜結合性金属プロテアーゼを単離,精製し、分子的,酵素的諸性状を明らかにした。 4.肝臓ミクロソーム(ラット)の膜結合性セリンプロテアーゼのペプチド鎖構成および部分アミノ酸配列を明らかにし、これが従来cDNAレベルから存在が予想されていたヘプシンと同一酵素であることを初めて証明した。 5.胃粘膜(カメおよびマグロ)よりペプシノーゲンを単離,精製し、諸性状を検索するとともに、マグロの主成分の全一次構造を蛋白化学的手法で明らかにした。 6.正常の血清(ヒト)中のα_2マクログロブリンが有意量のトリプシン様セリンプロテアーゼを含むことを明らかにし、生理活性ペプチド等の分解に関与する可能性を示唆した。 7.膵臓(ブタ)トリプシンおよびα-キモトリプシンの特異性のpH依存性を検索し,高アルカリ性(pH〜13)において、トリプシンはArg-X結合を,α-キモトリプシンはPhe-X結合を選択的に切断することを示した。 8.上記研究と関連して、卵胞液フォリプシンおよびプロリルエンドペプチダーゼ(ブタ),Aspergillusniger酸性プロテアーゼB,シグナルペプチダーゼ(E.coli)およびブロメラインインヒビターについて関連研究を行った。
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