1.リンパ球の活性化におけるコア2形成酵素による糖鎖構造の制御:Bリンパ球の活性化のモデルとして、ヒトのB細胞株HuNS-1を用いて、IL-4で活性化した。これに伴い、コア2分岐糖鎖が誘導されることが判明した。また、コア2形成酵素、及びそのmRNAレベルの上昇が観察された。従って、コア2形成酵素の発現上昇がT細胞のみならず、B細胞の活性化にも共通する何らかの現象に関与していることが示唆された。 2.分岐形成に伴うシアリルルイスX抗原の形成と内皮細胞との接着:シアリルルイスX抗原を発現するCHO細胞にポリシアル酸合成酵素を導入したところ、シアリルルイスX抗原が減少し、同時に血管内皮細胞上に発現することが知られているE-セレクチンへの接着阻害が認められた。 3.コア4形成酵素のクローニング:コア4形成酵素を比較的大量に含む大腸癌LS174T細胞のpoly(A)+RNAからcDNAライブラリーを作製した。また、コア4形成酵素と同じグループに入るI抗原形成酵素とコア2形成酵素との間で相同性の高い領域をプローブとしてプラークハイブリダイゼーションを行い、いくつかの陽性クローンを得た。 4.分岐糖鎖上に発現する糖鎖の構造、機能、及びその合成酵素についての解析:CMP-NeuAc水酸化酵素のクローニングに成功した。また、T細胞接着分子CD2に対する糖鎖リガンドの特徴を明らかにした。
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