研究課題/領域番号 |
07458160
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
三浦 洌 熊本大学, 医学部, 教授 (70093466)
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研究分担者 |
玉置 春彦 熊本大学, 医学部, 助手 (80264290)
瀬戸山 千秋 熊本大学, 医学部, 助教授 (60040250)
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キーワード | アシルCoAオキシダーゼ / アシルCoAデヒドロゲナーゼ / 脂肪酸代謝 / β酸化 / フラビン酵素 |
研究概要 |
本研究課題では、ミトコンドリアおよびペルオキシソームのβ酸化系酵素のうちで、初発段階かつ、律速段階の、ミトコンドリアのアシルCoAデヒドロゲナーゼおよび、ペルオキシソームのアシルCoAオキシダーゼの分子的性質を調べ、両者の比較から、それぞれの脂肪酸代謝における役割を明らかにするものである。 中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ(MCAD)とその基質アナログであるアセトアセチルCoAとの相互作用を、分子軌道法を用いた理論的取り扱い、および、^<13>C-NMRを利用した実験的取り扱いにより詳細にしらべた。その結果、基質と補酵素FADのフラビン部分との互いの配向が明らかになり、さらに、基質のC(1)=0の分極を促進する環境がMCADの活性部位に存在することがわかり、MCADの基質活性化の重要な知見が得られた。 ラットの肝臓のペルオキシソームには、二種類のアシルCoAオキシダーゼ(ACO-I,ACO-II)の存在が知られていたが、cDNAを組み込んだ大腸菌による発現系によって、ACO-I、ACO-IIをそれぞれ初めて純粋に得ることができた。この、ACO-I、ACO-IIの基質特異性を調べたところ、アシル鎖の長さに対する両者の特異性が異なり、ACO-Iの方が、アシル鎖のより短いアシルCoAに特異性を示した。このことにより、ACO-I、ACO-IIの間にも役割分担がされていることが明かとなった。
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