1)酵母のtwo-hybrid系とC. elegansのcDNAライブラリーを用いて、Unc-51タンパクと相互作用し得るタンパク質をコードするcDNAを選択した。16個のポジティブクローンが得られたが、この中の1つはUnc-51そのもののC末近くをコードするものであった。two-hybrid系を用いて更に解析した結果、Unc-51のC末同士が互いに結合することが示唆された。2)残りのクローンの中の4つは同一のcDNAの異なる部分であり、このcDNAは665アミノ酸からなる新しいタンパク質をコードすることが判明した。3)このcDNAに対応するゲノム断片をunc-14変異株に導入すると、unc-14変異を相補(救済)することを示した。また、6種のunc-14変異株の全てが上記cDNA中にナンセンス変異を持つことを示した。これらの事実により、4つのクローンはunc-14遺伝子のcDNAであることが明かとなった。unc-14変異株は、Unc-51変異株とよく似た表現型(神経軸索の伸長及び構造の異常、運動失調、産卵欠損、Dpy体型)を示すことが知られていた。4)unc-14とlac Zとの融合遺伝子は、多くのニューロン及び咽頭筋等で発現され、その発現パターンはunc-51/lac Z融合遺伝子とよく似ていることを示した。5)Two-hybrid系により、Unc-51のN末付近とUnc-14のC末付近が互いに結合し得ることが示された。この結合により、Unc-14はUnc-51のタンパク質リン酸化の基質の選択または調節に働いている可能性が考えられる。6)Two-hybrid系により、Unc-14と相互作用するC. elegansのタンパク質をスクリーニングした結果、HSP90及びヒトEB1のホモログが得られた。これらがUnc-14と結合する可能性がある。
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