1.Xenopus卵M期抽出液に哺乳類培養細胞から単離した中心体を添加する実験を行い、微小管切断因子として同定されたp48(=EF-1α)が中心体に集積することを明らかにした。この集積は微小管脱重合剤存在下でも起きた。したがって、p48が微小管をレールとして中心体に集積するのではなく、中心体に直接集積することが示唆された。単離中心体と精製p48をインキュベーションした場合には、p48の中心体への集積は起こらなかったことから、p48は抽出液中の他の因子を介して中心体に結合することが示された。 2.p48(=EF-1α)も含めた中心体の分子構成及び機能を解析する目的で、中心体に対するモノクローナル抗体の作製を開始した。Xenopus卵M期抽出液から中心子周辺物質を部分精製し、マウスに免疫することによってモノクローナル抗体を作製した。その結果、間期培養細胞において中心体のみを染色し、M期においては中心体及び紡錘体微小管を染色するという数種のクローンを得た。今後は発現ライブラリーからのスクリーニング等によって抗原を同定していくと共に、Xenopus卵抽出液からの免疫除去等によって抗原の機能解析を行う。
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