(1)Xenopusの微小管結合タンパク質p220に対するモノクローナル抗体を用いて、Xenopus卵のcDNA発現ライブラリーからp220の分子クローニングを行った。その結果、12個の陽性クローンを得、そのDNA配列から予想されるアミノ酸配列が、12個とも哺乳類のMAP4と相同性が高いことが明らかになった。 (2)Xenopusの中心体に対して作製したモノクローナル抗体のうちのひとつ、W8-C3抗体を用いて、Xenopus培養細胞A6の染色を行った。W8-C3抗体は、間期の細胞では中心体のみを認識するのに対し、M期の細胞では中心体に加えて紡錘体微小管も認識することが分かった。W8-C3抗体を用いてcDNA発現ライブラリーから抗原のスクリーニングを行ったところ、陽性クローンのひとつがヒトのPCM-1と相同であることが明らかになった。このXenoopus PCM-1の全長のDNA配列を決定し、さらにN端とC端の部分長のPCM-1をそれぞれ大腸菌に発現させて、ポリクローナル抗体を作製した。この2つのポリクローナル抗体でA6細胞の染色を行ったところ、どちらの抗体とも、間期でもM期でも中心体のみを認識することが分かった。したがって、W8-C3抗体が、中心体に局在するPCM-1に加えて、M期紡錘体微小管に局在するもう一つの抗原を認識する可能性が考えられた。現在、Xenopus PCM-1の微小管構築に及ぼす影響をXenopus卵を用いて解析するとともに、もうひとつの抗原の同定を行っている。
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