研究課題/領域番号 |
07458195
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
嶋田 拓 広島大学, 理学部, 教授 (70011559)
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研究分担者 |
中坪 敬子 広島大学, 理学部, 助手 (40192760)
赤坂 甲治 広島大学, 理学部, 助教授 (60150968)
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キーワード | ウニ / 発生 / アリールスルファターゼ / Ars遺伝子 / 転写調節 / 転写因子 / Otx / Gストリング |
研究概要 |
本研究は、発生時期の同調した胚が大量に入手できるバフンウニを材料とし、ウニ胚で時期特異的・組織特異的に発現するアリールスルファターゼ(Ars)遺伝子に着目し、その転写調節機構を解析することによって初期発生における遺伝子発現調節カスケード機構を解明することをめざして企画された。従来の研究により、ウニ胚Ars遺伝子の発生時期特異的転写調節に関わるシスエレメントとエンハンサーが明らかになり、マウスの脳形成に働くホメオティック蛋白質、Orthodenticle(Otx)、がウニArs遺伝子のエンハンサーとして機能していることが示唆された。本年度は、エンハンサーエレメントの解析をさらに進めるとともに、Otx cDNAのクローン化、Gストリング結合蛋白質cDNAの解析を行った。結果は下記の通りである。 (1)Ars遺伝子の第1イントロン内の230bpエンハンサー(C15)にはGGATTA及びその類似配列からなるOtxクラスターと2個のCCATT配列がある。2種のモチーフのいずれか一方を欠失させてもエンハンサーは著しく低下したのでエンハンサー活性はCAATTとGGATTAの相互作用によると結論した。ノザン解析によりエンハンサーへの結合時期が異なる3種のOtxが検出され、それぞれ発生の進行とともに異なる出現パターンを示した。3種のOtxのcDNAの塩基配列は、ホメオドメインから3′UTRの末端まで同じであるがホメオドメインから上流は異なっており、ゲノム中にOtx遺伝子は1個しかないので、3種のOtxはalternative splicingによって生じると思われる。(2)以前にサウスウエスタン方でクローン化したGストリング結合蛋白質3種のうちの一つSG9について、cDNAの全長約10Kbpのうち5Kbpの塩基配列を決定した。このcDNA断片のORFを用いて大腸菌系でSG9蛋白質を合成したところGストリング配列結合能を有することがわかった。
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