研究課題/領域番号 |
07458200
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
高木 宏 大阪市立大学, 医学部, 教授 (30163174)
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研究分担者 |
米田 託成 大阪市立大学, 医学部, 助手 (70271179)
前田 光代 大阪市立大学, 医学部, 講師 (40122080)
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キーワード | NO / SOD / 海馬 / 線条体 / ソマトスタチン |
研究概要 |
線条体において、形態学的に中型無棘細胞のカテゴリーに属し、ソマトスタチンおよびニューロペプチドYを同時に含有する介在ニューロンが、ハンチントン舞踏病や、その動物モデルとされるキノリン酸(NMDA受容体agonist)による神経毒性、さらには虚血に対し、抵抗性を示し、細胞死を免れることが知られている。同介在ニューロンがNO産生細胞(NO合成酵素(NOS)含有ニューロン)でもあることから、SOD(O2-消去系酵素)と密接に関連し合いながら、NOが各種神経障害に対し保護作用をしている可能性が示唆される。 しかしながら、線条体で見られるようなNOSニューロンとSODとの関係がはたしてそれ以外の脳領域でも見られるのかどうかはほとんど確かめられていなかった。そこで、本研究において、線条体と同様に虚血に強いとされる海馬におけるNOSニューロンとSODとの関連性を知る目的で、ラットを用い両酵素の細胞内共存について免疫組織化学的に検討した。SODはラット肝臓から抽出されたMn-SODに対する家兎抗体を使用した。NOSニューロンおよびMn-SOD強陽性ニューロンは、それぞれアンモン角(CA1〜4)や歯状回に幅広く分布しているが、線条体とは異なり、NOSニューロンのなかでMn-SOD強陽性を示すものは認められなかった。したがって、海馬NO産生ニューロン内では少なくとも生理的状態において、Mn-SODによるO2-消去系は十分に作動していないと考えられた。
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