研究課題/領域番号 |
07458201
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内山 安男 大阪大学, 医学部, 教授 (10049091)
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研究分担者 |
大沢 良之 大阪大学, 医学部, 助手 (30273642)
後藤 隆洋 大阪大学, 医学部, 助教授 (20135693)
渡部 剛 大阪大学, 医学部, 助教授 (80220903)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | アポトーシス / PC12細胞 / bc1-2遺伝子 / 神経栄養因子 / カテプシンB / カテプシンD / リソソーム / 後根神経節 |
研究概要 |
本研究では、虚血性神経細胞死等の神経細胞死とその回避因子の探索を目的とした。 1)神経細胞死:私達は、神経細胞のアポトーシスの過程でリソソームカテプシン群の活性が上昇することを見い出し、細胞死におけるリソソームの役割をPC12細胞を用いて検討した。同細胞は無血清培養で培養するとcaspase-3が活性化され、その死はそのインヒビターであるacetyl-DEVD-cho(DEVD)の添加で抑制されることが分かった。DEVDでcaspase-3の活性化を抑制し、さらにリソソームカテプシンBのインヒビターであるCA074あるいはそのアンチセンスを添加すると再び細胞死が惹起された。この細胞死は、ペプスタチンAあるいはカテプシンDのアンチセンスの添加で抑制された。このことはリソソームカテプシンBとDで制御されるアポトーシスの経路が存在することを示している。 2)細胞死回避因子の同定:私達は、human bcl-2遺伝子導入PC12細胞の培養上清中から野性型PC12細胞の細胞死を抑制する因子を見い出し、その因子が新規蛋白であることを明らかにした。定法に従い、同蛋白のcDNAを決定した結果、open reading frameは768bpで256アミノ酸残基からなり、シグナルペプチドは23アミノ酸残基、本体は233アミノ酸残基の分泌型蛋白であることが分かった。ペプチド抗体からSDS上での移動度で見ると分子量は約35kDである。本結果から、同蛋白をPCTF35(PC12 derived trophic factor 35 KD protein)と命名した。PCTF35の生理活性を確認するため、同遺伝子をPC12細胞、COS細胞、drosophilaの神経系由来のS2細胞に導入し、効率よくPCTF35を分泌する系を探索中である。また、ラットを用いて、その発生過程、生後発達過程でmRNAの発現をin situ hybridizationで検討した結果、中枢神経系でその発達の初期に発現することを確認した。
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