• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

MAP1bの細胞外リン酸化とシナプス形成における役割

研究課題

研究課題/領域番号 07458209
研究機関(財)東京都神経科学総合研究所

研究代表者

黒田 洋一郎  (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生化学研究部門, 参事研究員 (30073084)

研究分担者 小林 和夫  (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生学研究部門, 研究員 (80100139)
谷口 寿章  藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教授 (10257636)
キーワードシナプス形成 / 記憶 / 蛋白質リン酸化 / エクト・プロテインキナーゼ / プロテオグリカン / マススペクトル / 細胞外ドメイン / シナプス可塑性
研究概要

これまでの研究で、大脳皮質初代培養ニューロン間のシナプス形成において、細胞外リン酸化が重要な役割を果しており、MAP1Bがリン酸化酵素の基質の一つであることが判明したている。そこで、MAP1Bに対する特異的な抗体を作製して、神経細胞内のMAP1B分子顕微鏡を用いて検討した。その結果、ラット大脳皮質において、MAP1Bが樹状突起や細胞体など従来報告されていた領域以外にも、新たにニューロンの後シナプス領域においても局在が見られ、しかもMAP1B陽性を示すシナプスは全シナプス中の約半数のものであること、さらに、嗅球の僧坊細胞の樹状突起上の細胞膜に沿ってMAP1Bの局在が見られるなど興味深い知見を得た。また、MAP1Bのリン酸化部位の解析により、20数ケ所に及ぶリン酸化アミノ酸を同定した。そのほとんどすべてのアミノ酸がプロリンの直前に位置するセリンおよびスレオニンであることが判明し、MAP1Bのリン酸化にプロリン指向性プロテインキナーゼが深く関与していることが確実となった。そこで、発生の特定段階にあるラット脳よりそれぞれMAP1Bを精製し、部位の判明したリン酸化アミノ酸のリン酸化状態を比較したところ、MAP1B分子中の特定の部位のアミノ酸のみが発生過程の一定のステージにおいて特異的な脱リン酸化を受けていることが判明した。
更に、MAP1B以外のエクトプロテインキナーゼの基質となる細胞膜タンパク質の構造決定のために、リン酸化タンパク質の2次元電気泳動法による分離を試み、数個のエクトプロテインキナーゼの阻害剤K-252bによってリン酸化が抑制される数個のバンドが見出された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 川原正博,黒田洋一郎: "記憶の細胞・分子メカニズム" 臨床科学. 10. 1335-1341 (1996)

  • [文献書誌] Muramoto K.et al.: "MAP1B exists in postsynaptic regions of some synapses in cerebrat cortex of adult rat" Society for Neuroscience Abstracts. 22. 1951- (1996)

  • [文献書誌] Kaichi Y et al.: "Possible involvement of keratan sulfate proteoglycans in synapse formation of cultured rat cortical neurons" Sciety for Neuroscience Abstracts. 22. 1951- (1996)

  • [文献書誌] 山内英美子,他: "微小管結合蛋白質MAP1Bのin vivoでのリン酸化とその発生段階での変化" 神経化学. 35. 609-610 (1996)

  • [文献書誌] 開地泰介,他: "サル大脳皮質培養細胞によるニューロン回路網の形成" 神経化学. 35. 388-389 (1996)

  • [文献書誌] Mizutani A.et al.: "Effects of glucosylceramides synthethase inhibitor and ganglioside GQ1b on synchronous oscillations of intracellular Ca^<2+> in cultured cortical neurons" Biochem Biophys Res Commn. 222. 494-498 (1996)

  • [文献書誌] 黒田洋一郎: "神経細胞死Up to date基礎と臨床からのアプローチ(吉田他編)" クバプロ, 210 (1996)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi