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1995 年度 実績報告書

ヘパリン親和性神経栄養因子の情報伝達における脳の膜結合型プロテオグリカンの役割

研究課題

研究課題/領域番号 07458211
研究種目

一般研究(B)

研究機関愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所

研究代表者

大平 敦彦  愛知県心身障害者コロニー・発達障害研, 究所, 部長 (20101074)

研究分担者 松井 ふみ子  愛知県心身障害者コロニー, 発達障害研究所, 助手
渡辺 英治  愛知県心身障害者コロニー, 発達障害研究所, 研究員 (30250252)
キーワード脳 / 小脳 / 嗅神経線維 / プロテオグリカン / ヘパラン硫酸 / モノクローナル抗体 / Nーシンデカン / シナプス
研究概要

生後10日のSDラット脳から、膜結合性プロテオグリカンを部分精製し、それを免疫原としてモノクローナル抗体(MAb)を作製した。3種類のMAb(H5, IgG1; H10, IgG2; H14, IgM)が、140kDaのコア糖蛋白を持つヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)を認識した。本年度は、このHSPGの構造解析と、光学顕微鏡および電子顕微鏡を用いた免疫組織化学を行い、次の結果を得た。
1.胎生12日より生後2年までのラット脳のhomogenatesを、MAb-H5を用いたWestern blotにより分析したところ、このHSPGは、出生前後から生後20日頃までの発達期の脳に多く存在することがわかった。
2.生後10日のラット脳膜画分から、生化学的手法によりこのHSPGを精製することを試みた。しかし、精製度が上がるにつれて、重合しやすくなり、精製標品を得ることは困難であった。
3.発達期の脳に存在する膜貫通型HSPGとして部分塩基配列が報告されている、Nーシンデカンのリコンビナントコア蛋白を作製した。MAb-H5はこのコア蛋白のC末端に近い部位を、また、MAb-H14はN末端に近い部位を認識した。この結果と他の証拠から、このHSPGは、Nーシンデカンであることがわかった。
4.MAb-H5を用いた免疫組織化学により、小脳ではNーシンデカンは伸びつつある平行線維の表面に一過性に存在すること、および、形成過程にあるシナプスには見られるが、成熟したシナプスには存在しないことが明らかになった。
5.成獣でも、常に置換が起きている嗅神経線維の表面には、Nーシンデカンが存在することもわかった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Watanabe, E., Aono, S., Matsui, F. et al.: "Distribution of a brain-specific proteoglycan, neurocan, and the correspondion mRNA during the formation of barrels in the rat" European Jouranal of Neuroscience. 7. 547-554 (1995)

  • [文献書誌] Katoh-Semba, R., Matsuda, M., Kato, K., Oohira, A.: "Chondroitin sulfate proteoglycan in the rat brain: Candidates for axon barriers of sensory neurons and the possible …" European Journal of Neuroscience. 7. 613-621 (1995)

  • [文献書誌] Oohira, A., Kushima, Y., Matsui, F., Watanabe, E.: "Detection of Alzheimer's B-amyloid precursor related proteins bearing chondroitin sulfate both in the juvenile rat brain and" Neuroscience Letters. 189. 25-28 (1995)

  • [文献書誌] Maeda, N., Hamanaka, H., Oohira, A., and Noda, M.: "Purification, characterization and developmental expression of a brain-specific chondroitin sulfate proteoglycan, 6B4…" Neuroscience. 67. 23-35 (1995)

  • [文献書誌] Watanabe, E., Maeda, N., Matsui, F. et al.: "Neuroglycan C, a novel membrane-spanning chondroitin sulfate proteoglycan that is restricted to the brain." Jouranal of Biological Chemistry. 270. 26876-26882 (1995)

  • [文献書誌] 大平 敦彦: "神経回路網形成期の脳に発現しているプロテオグリカンの構造と機能" 日本神経精神薬理学雑誌. 15. 171-176 (1995)

  • [文献書誌] 大平 敦彦: "バイオサイエンス用語ライブラリー(分担)" (株)羊土社「実験医学」(印刷中), (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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