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1997 年度 実績報告書

ヘパリン親和性神経栄養因子の情報伝達における脳の膜結合型プロテオグリカンの役割

研究課題

研究課題/領域番号 07458211
研究機関愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所

研究代表者

大平 敦彦  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 部長 (20101074)

研究分担者 松井 ふみ子  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 助手
キーワードプロテオグリカン / Nーシンデカン / ヘパラン硫酸 / 脳 / 神経突起伸長 / 神経栄養因子 / プレイオトロフィン / bFGF
研究概要

私達は、膜貫通型ヘパラン硫酸プロテオグリカンであるNーシンデカンを認識するモノクローナル抗体を保有している。これまでに、免疫組織化学的研究により、Nーシンデカンは、発達期の脳の伸長しつつある神経線維の表面に分布しているばかりでなく、成獣でも常に置換が起きている嗅神経線維の表面にも存在することを明らかにした。本年度は、Nーシンデカンが伸長中の神経線維表面で、神経突起伸長促進活性のあるヘパリン親和性神経栄養因子を捕捉し、その情報伝達を仲介しているとの作業仮説の下に研究を進め、次の結果を得た。
1.Nーシンデカンの精製:生後10日SDラット脳のPBS不溶性画分から、各種カラムクロマトグラフィーとCsC1密度勾配超遠心分離を組合せ、膜結合型プロテオグリカンを精製した。この方法により、ヘパラン硫酸を結合したプロテオグリカンとしては、Nーシンデカンが主成分である画分が得られた。現在、intactのNーシンデカンを認識するポリクローナル抗体を用いて、さらに高純度のNーシンデカンを調製することを計画している。
2.Nーシンデカンとヘパリン親和性神経栄養因子との結合:PVDF膜上にスポットしたNーシンデカンは、bFGF、プレイオトロフィン、HGFと結合した。この結合は、あらかじめNーシンデカンをヘパリチナーゼで処理しておくと見られなくなることから、ヘパラン硫酸部分でおきていると思われる。
3.ヘパリン基質上での初代培養神経細胞の挙動:いまのところ大量の高純度Nーシンデカンが得られないので、ヘパリンのリン脂質誘導体を代用品としたモデル実験を試みた。コンドロイチン硫酸とヒアルロン酸が神経細胞の接着を阻害するのに対し、ヘパリンには阻害活性がなかった。そこで今後、この培養系にヘパリン親和性神経栄養因子を共存させたとき、神経突起伸長など神経細胞の挙動に表れる変化を観察する予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Preobrazhensky,A.A.,Oohira,A.,et al: "Identification of monoclonal antibody At5 as a new member of HNK-1 antibody family : The reactivity with myelin-" Neurochemical Research. 22. 133-140 (1997)

  • [文献書誌] Atoji,Y.,Yamamoto,Y.,Suzuki,Y.et al.: "Immunohistochemical localization of neurocan in the lower auditory nuclei of the dog." Hearing Research. 110. 200-208 (1997)

  • [文献書誌] Fukuda,T.,Kawano,H.,Ohyama,K.et al.: "Immunohistochemical localization of neurocan and L1 in the formation of thalamocortical pathway of developing rats." Journal of Comparative Neurology. 382. 141-152 (1997)

  • [文献書誌] Matsui,F.,Nishizuka,M.,Yasuda,Y.et al.: "Occurrence of an N-terminal proteolytic fragment of neurocan,not a C-terminal half,in a perineuronal net in the adult" Brain Research. (in press). (1998)

  • [文献書誌] Ohyama,K.,Kawano,H.,Asou,H.et al.: "Transient and coodinate expression of L1 and 6B4 proteoglycan/phosphacan in the ventral mesencephalon is correlated with" Developmental Brain Research. (in press). (1998)

  • [文献書誌] Oohira,A.,Aono,S.,Matsui,F.et al.: "Transmembrane chondroitin sulfate proteoglycans in the developing brain : Involvement in signal transduction as well" Connective Tissue. 30(in press). (1998)

  • [文献書誌] 時田 義人、大平 敦彦: "脳における情報伝達(分担、pp.371-374)" 共立出版「蛋白質核酸酵素増刊」(芳賀、三品、植村、宮本編), 412 (1997)

  • [文献書誌] 大平 敦彦: "細胞外マトリックス研究法;基礎知識からデーターの解釈まで(分担)" コラーゲン技術研修会(畑、服部、荒井編)(印刷中), (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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