研究課題/領域番号 |
07458215
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
柿木 隆介 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (10145196)
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研究分担者 |
小山 幸子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40270483)
宝珠山 稔 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (30270482)
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キーワード | 脳磁図 / 高次脳機能 / ヒト / 脳波 / 神経生理学 / 体性感覚 / 痛覚 / 誘発電位 |
研究概要 |
本年度は主としてヒトにおける体性感覚刺激による誘発脳磁場の研究を 行った。先ず、下肢の足首、膝および大腿部に存在する左右の各神経を電気刺激して、大脳半球での感覚受容野を詳細に検討した。すると、活動部位はいずれも半球間裂付近に存在したものの、個人差が大きく、足首、膝、大腿の受容野がほぼ同一の部位に存在することもあれば、明瞭に分かれている場合もあった。しかも同一個人内でも相違のあること(左右差)が確認された。 ヒトにおける頭部(特に口唇、額および後頭部などの部位)の感覚受容野の研究は技術的困難のためほとんどなされていなかった。特殊刺激装置と脳磁図を用いて詳細に検討した。すると早期成分は刺激対側の第1次感覚野に限局して記録されたが、それ以後の成分は両側性であり、中期成分は第2次感覚野でも記録された。 昨年度は上肢刺激による脳磁図での詳細な記録を行った。本年度はそれに及ぼす他種類の感覚及び運動の影響(Gating)を検索した。すると運動により、誘発脳磁図は著名な抑制を受けることが明かとなった。また触覚刺激でも同様であったが、1部の成分は逆に振幅増大する場合もあり、単純な抑制機構では説明困難であった。両側の上肢を同時に電気刺激してその影響を調べたところ、第2次感覚野での反応が特異的に抑制された。 痛覚刺激による脳内での反応を調べるため、強い電気刺激とCO_2レーザー刺激を用いた。すると、両側の第2次感覚野と帯状回に反応が認められた。 Penfieldらが脳外科手術中の脳刺激実験により提唱されたヒトの感覚・運動受容野、いわゆるhomunculusを非浸襲的に確認および訂正する作業を現在実行中である。
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