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1995 年度 実績報告書

輻輳眼球運動の長期増強の基礎をなすニューロン機構についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 07458219
研究種目

一般研究(B)

研究機関新潟大学

研究代表者

板東 武彦  新潟大学, 医学部, 教授 (50029534)

キーワード大脳 / 視覚領 / 眼球運動 / 輻輳 / 長期増強 / 組み合せ刺激 / グルタミン酸受容体 / 神経生理学
研究概要

記憶・学習の基礎機構にはシナプス可塑性が関与すると考えられるが、行動的に観測される可塑的変化とシナプス可塑性は十分に関連づけられるには至っていない.両者の機能的な関連づけには、入出力関係や関与する神経回路が知られた行動についてニューロンレベルでの可塑性の責任部位を同定することが重要である.
本研究では、この条件を満たす実験系を得るため、視覚刺激と大脳高次視覚野(LS皮質)の脳内微小刺激を組合せ、輻輳眼球運動の長期的増強を誘発した.この実験系を用い、以下のような実験を行ない、グルタミン酸受容体阻害剤、蛋白燐酸化酵素抑制剤の脳内局所注入を行ない、LS皮質が長期的増強の責任部位であること、LS皮質内での責任部位が輻輳関連領域に局在することを確かめ、また、この可塑的変化にグルタミン酸受容体が関与することを示した.
1)接近・離反運動をする視標を追視するよう訓練したネコ(予め麻酔下に頭部固定用ホルダー、記録・刺激用チェンバーを装着)を用い、覚醒状態で実験を行なった.両眼眼球運動をサーチコイル法で記録し、刺激・記録電極はチェンバーを介して刺入する.眼球運動、ニューロン活動、視標運動の制御信号はDATデータレコーダに記録し、オフラインデータ処理を行なった.
2)30回の視覚刺激試行中にLS皮質の微小刺激を組合わせた。両刺激期間は各試行ともに視覚刺激の前半0.6秒間で重なった.この組合せ刺激により、その後2-22時間、視覚刺激単独で誘発された輻輳運動の速度・振幅が増加した.
3)輻輳運動の増強機構の局在性を調べるため、(1)LS皮質への視覚入力をCNQX(AMPA型グルタミン酸受容体遮断薬)のLS皮質内局所注入により遮断し、輻輳増強がみられないことからLS皮質を経由する視覚入力が輻輳運動の増強発現に重要な役割を果すこと示した。(2)グルタミン酸受容体遮断薬(AP5)、蛋白燐酸化酵素阻害薬(H7、スタウロスポリン)をLS皮質に局所注入後、組合わせ刺激を行うと輻輳運動の長期的増強がみられないことを示した.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 板東武彦: "眼球運動機能を指標としたHMD評価の試み" VISION. 7. 131-136 (1995)

  • [文献書誌] 長谷部 日: "ベッドマウントディスプレイを用いた3次元刺激に対する眼球運動" テレビジョン学会技術報告. 19. 19-22 (1995)

  • [文献書誌] Toda,H.: "Effect of protein kinase inhibitors injected locally into the cat extrastriate cortex on prolonged potentiation of ocular convergence" Japanese Journal of Physiology. 45. S184- (1995)

  • [文献書誌] Hasebe,H.: "Changes in oculomotor functions before and after loading of a 3-D visually-guided task by using a HMD." Ergonomies. (出版予定). (1996)

  • [文献書誌] 板東武彦: "奥行視覚に伴う眼球運動のメカニズム" 神経研究の進歩. 40(3)(出版予定). (1996)

  • [文献書誌] 板東武彦: "近見反応の中枢支配" 神経眼科. 13(出版予定). (1996)

  • [文献書誌] Bando,T.: "Extrageniculo striate Mechanisms Underlying Visually-guided Orientation Behavier" Elsevier.(出版予定), (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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