研究課題/領域番号 |
07458229
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
米田 嘉重郎 東京医科大学, 医学部, 助教授 (90074533)
|
研究分担者 |
芹川 忠夫 京都大学, 医学部, 教授 (30025655)
金沢 真雄 東京医科大学, 医学部, 講師 (10147184)
|
キーワード | 1型糖尿病 / 発症遺伝子 / 連鎖解析 / LETLラット / KDPラット / 膵島炎 / マイクロサテライト |
研究概要 |
我々は、1型糖尿病(IDDM)モデルのNODマウスおよびBBラットとは病態が異なる新しいIDDMモデルのLETLラットから、高発症亜系統KDPラットを確立した.このラットを用いて原因遺伝子の連鎖解析を行い、MHCに連鎖した遺伝子以外の主要な劣性遺伝子をラット第11染色体上にマッピングした.この遺伝子は新しいものと考えられたので、Iddm/kdpl(以前はIddm4)と命名した. ヒトIDDMの病因遺伝子探索に重要な手がかりを提供するには、ラットモデルで発見した原因遺伝子を精密連鎖地図上にマッピングすることがとりわけ重要である.そこで、我々はIddm/kdplを大規模単一戻し交配系を作出し、新たに開発したNDAマーカーを用いて連鎖解析を行い、ラット精密連鎖地図上にマッピングすることを目的とした. 平成8年度は、昨年度に引き続き3つの戻し交配系を用いて、Iddm/kdplの膵島炎への関与と、新たに開発したDNAマーカーを利用してIddm/kdpl領域の詳細な連鎖地図を作成した.その結果、ラット第11染色体上のMox2とD11M16Mit46の間にIddm/kdplをマッピングすることができた.Iddm/kdplはいずれの交配系においてもほぼ同じ領域にマッピングされたことで、KDPラットの主要なIDDM原因遺伝子であることが確認できた.このIddm/kdplは、膵島炎とIddm/kdpl近傍のDNAマーカーとの詳細な解析から、膵島炎の進行に強く関与する劣性の遺伝子あることが明らかとなった.さらに、Iddm/kdpl領域について、新たにDNAマーカーを開発し、ラット・マウス・ヒト間の高密度連鎖地図を作成した.その結果、Iddm/kdplと相同なヒトおよびマウスの遺伝子は、それぞれ第3染色体p11-q13領域および第16染色体のGap13とD16Mit46の間に存在すると推察された。 本研究の成果により、ラットIddm/kdplに相当するヒトIDDM遺伝子が、ヒト第3染色体上に存在することが強く示唆された.
|