研究概要 |
パワードス-ツは,介護者の体に直接装着し,患者抱上げ・下ろし動作時に必要な筋力を補助するもので,マスタ(介護人)をスレーブ(ユニット)を一体化した新しいコンセプトに基づくものである。マスタ側の肢体の動きを検出し,スレーブからの力のフィードバックを直接肢体に伝える方式により,介護者がその感覚を確かめながら動作できる安全なシステムである。 ス-ツ本体は,アーム,ウエスト,レッグからなり,介護者が直接患者と触れ合える様,肢体の前面に構造物のない設計とした。ウエストは背骨と一体で,介護者が背負う構造であり,リンク機構によりロータリアクチュエータの出力を介護者の胴体に伝達する。肢体の検出方法として,新たに空気圧式筋肉硬さセンサを開発した。肢体を動かす際に筋肉が発揮する力を,その硬さにより直接検出するものである。アクチュエータとして,柔軟な動作を可能にする極低摩擦のスライドボックス式ロータリアクチュエータを精密NC加工技術を利用することによって実現した。 パワードス-ツシステムを試作完成させ,一連の抱上げ・下ろし動作試験を行ない,その実現性を確認した。今後の実用化研究開発の為のプロトタイプを完成し,初期の目的が達成された。
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