有機塩素化合物による土壌・地下水汚染は、全国で1万ケ所以上あるといわれているが、その実態は不明である。この原因の一つに土壌・地下水汚染の調査、分析システムが確立されていないことがあげられる。そこで、本研究では、(1)土壌・地下水汚染地域の検索、(2)汚染事業所の特定、(3)汚染場所の特定、(4)汚染レベルの把握、の各ステップについて既存の方法の特性を調べるとともに、土壌中有機塩素化合物含有量測定方法および土壌ガス拡散吸着定量分析法を開発することを試みた。 また、地下水中の有機塩素化合物を現地で簡易に調査・分析するための気化・検知管法の適用性と信頼度を調べた。その結果、土壌ガス測定方法は2倍から1/2のバラツキが生じること、含有量測定にはエタノール抽出法が適していること、水中の代表的な有機塩素化合物について、気化・検知管法が簡易に汚染レベルの把握に役立つことが確認された。
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