研究課題/領域番号 |
07458250
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
上野 昭彦 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (50091658)
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研究分担者 |
池田 博 東京工業大学, 生命理工学部, 技官 (70201910)
中村 朝夫 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (50155818)
池田 宰 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (40151295)
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キーワード | 分子記憶系 / シクロデキストリン / 人工抗体触媒 / 包接錯体 / 分子認識 / 修飾シクロデキストリン |
研究概要 |
本研究は、分子記憶系の構築とその応用としての人工抗体触媒の構築の2側面からなる。平成7年度は分子記憶系の構築について検討した。分子記憶は、多くのSHを有するシクロデキストリン(CD)を合成し、ゲスト分子の存在下でゲスト分子の形をなぞらうように-S-S-架橋した後ゲストを除去し、ゲスト分子の形状を記憶する空孔を作製することによって達成する。その実験的には、まず、β-CDの一級水酸基7個をトシル化し、これをエチレンジアミンで置換し、γ-チオブチロラクトンと反応させ、ゲスト分子存在下で合計14個のSHを空気酸化で-S-S-架僑する。最初のトシル化をピリジン中で行ったが収率が20%以下と低く、トシル化の替わりにブロム化を行った。 DMF80mlに、トリフェニルフォスフィン42g、臭素25gを溶かし、これにβ-CD8.7gを加えた。結晶化、洗浄、再沈による精製を行い10.1gの生成物を84%の収率で得た。エチレンジアミンとの反応を行い収率99%で7個置換体を得た。現在、ゲスト分子としてo-,m-,p-メチルレッドを用いて、ゲスト存在および不在下でγ-チオブチロラクトンと反応させ、そのまま空気酸化させることによってゲスト分子の形状記憶を実現しようとしている。当初心配していた分子間の-S-S-結合によるゲル化は見られず、計画は順調に進行している。
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