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1995 年度 実績報告書

立体構造に基づいたPCB分解酵素BphCの反応機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07458251
研究種目

一般研究(B)

研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

三井 幸雄  長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40012637)

キーワードPCB / PCB分解酵素 / 酸素添加酵素 / ジオキシゲナーゼ / カテコール環開裂 / X線解析 / 蛋白結晶学 / オリゴマー酵素
研究概要

BphC酵素の立体構造を1.8Å分解能で決定し、結晶学的精密化をほぼ終了した。この立体構造の決定により、(1)活性部位の決定、(2)触媒残基の推定、(3)基質特異性に関与する残基の推定を行うことができた。また、鉄の酸化により失活した酵素を結晶化に用いたため、基質(2,3-dihydroxylbiphenyl及び3-methylcatechol)との複合体の立体構造を決定することができた。そのため、上記の(1)、(2)、(3)をより確かなものとすることができた。
また活性部位の立体構造を詳しく観察することにより、鉄を含む活性部位の立体構造について興味深い結果を得ることができた。基質が結合していない場合は、活性中心の鉄イオンに2つの水分子が配位結合して、鉄イオンに配意するアミノ酸の側鎖(His145,His209,Glu260)とあわせ、square pyramidの構造を取っているが、基質が結合することによりこれらの水分子が追い出され、上記のアミノ酸と基質分子の2つの水酸基とで、trigonal bipyramidの構造へ変化することが明らかになった。また、反応に必要とされる、酸素分子の結合部位を、基質との複合体の立体構造から、推定することができた。
変異体の立体構造解析についても現在進行中で、基質特異性を決定すると考えられる残基に関する変異体の立体構造を2.6Å分解能で既に10種類以上決定した。速度論的なパラメータと立体構造を比較することで、BphC酵素の基質認識様式及び、酵素活性と基質認識の関係について興味深い結果が得られている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kohno,T.,Senda,T.,Mitsui,Y.et al.: "Three-dimensional structure of abrin-a A-chain having ribosome inactivating activity." Proc. Japan Acad.71B. 104-107 (1995)

  • [文献書誌] Senda,T.,Saitoh,S.& Mitsui,Y.et al.: "Refined crystal structure of recombinant murine interferon-beta at 2. 15 A resolution." J. Mol. Biol.253. 187-207 (1995)

  • [文献書誌] Senda,T.,Mitsui,Y.,Roberts,R.M. et al.: "A three-dimensional model of bovine interferon-tau." J. Interferon & Cytokine Res.15. 1053-1060 (1995)

  • [文献書誌] Senda,T.,Sugiyama,K.,Mitsui,Y. et al.: "Three-dimensional structures of an extradiol ring-cleavage type dioxygenase, the Bph C enzyme from Pseudomonas." J. Mol. Biol.255. 735-752 (1996)

  • [文献書誌] Kurihara,J.,Mitsui,Y.,Nakamura,K.T.et al.: "The crystal structure of ribonuclease from Rhizopus niveus at 2. 0 A resolution." J. Mol. Biol.255. 310-320 (1996)

  • [文献書誌] Takamaka,N.,Nonaka,T.,Mitsui,Y.et al.: "Crystal structure of the ternary complex of mouse lung carbonyl reductase at 1.8 A resolution." Structure. 4. 33-45 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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