研究課題/領域番号 |
07458254
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
河野 憲二 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 教授 (50142005)
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研究分担者 |
木俣 行雄 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 助手 (60263448)
都留 秋雄 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 助手 (80273861)
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キーワード | hsp70 / Ssalp / Green Fluorescent Protein / 核の配分 |
研究概要 |
1)出芽酵母hsp70が、微小管形成に関与し細胞周期特異的に作用することを明らかにした。細胞質hsp70のSsalpの機能を明らかにするために、Ssalpの高温感受性変異株を作製したところ、制限温度下では2Nのラージバッドの細胞が蓄積され、核の配置及び微小管の構造に異常を示した。さらにノコダゾールで細胞を同調後、ノコダゾールを除去し細胞を制限温度下で培養すると、野生型Ssalpをもつ細胞はG1期への正常な移行が認められるのに対し、ssal温度感受性変異株は2Nの状態を維持すること、また培養時間につれ生細胞率が顕著に低下することが観察された。さらに抗チューブリン抗体を用いた蛍光抗体観察により、ノコダゾール除去後の制限温度下では細胞質微小管の異常な伸長やスピンドル微小管の異常が観察された。以上の結果はhsp70/Ssalpが微小管の機能制御に関与し、核の分配や細胞分裂に影響を与えることを示唆している。 2)核輸送における分子シャペロンの機能を調べるための、核蛋白質輸送マーカーとして、Green Fluorescent Protein(GFP)とヌクレオプラスミンとの融合蛋白(GFP-NP)を作成しその性質を調べた。GFP-NPは予想通り核に局在し生細胞のままで緑色蛍光を発した。興味あることにGFPの蛍光形成は温度感受性を示し、15℃では非常に強い蛍光を発するが、37℃では蛍光強度が数分の1以下に低下することが明らかとなった。また一度形成されたクロモフォア構造は非常に安定で、37℃にシフトしても蛍光形成能を失わないことも明らかとなった。この性質を利用することにより、核輸送温度感受性変異株nsp1は制限温度下で異常な核構造を有するという新知見を得た。
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