研究課題/領域番号 |
07458259
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
森脇 和郎 総合研究大学院大学, 副学長 (50000229)
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研究分担者 |
山口 泰典 福岡大学, 工学部, 助教授 (60191243)
城石 俊彦 総合研究大学院大学, 生命科学研究科・遺伝学専攻(国立遺伝学研究所), 助教授 (90171058)
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キーワード | 野生マウス / 遺伝的分化 / マイクロサテライトDNA / PCR法 / 野生由来系統 / 分岐図 / 三亜種グループ / 地理的分布 |
研究概要 |
われわれはこれまでにハツカネズミ種(Mus musculus)に含まれる主要な亜種の遺伝的分化とユーラシア大陸における地理的分布について広範な調査と遺伝的特性の分析を行い、少なくとも3つの主要亜種グループの存在を明らかにした。それら3つの亜種グループは100〜数10万年前に共通祖先から分岐したと推定される。 これらの亜種グループのそれぞれに属する野生由来ハツカネズミの系統育成が、1975年から国立遺伝学研究所において進められ、現在10数系統が近交系として維持されている。それらの中から下記の8系統、すなわちcastaneus亜種グループのマレーシア産MAL系、タイ産CAST系、台湾産HMI系、musculus亜種グループの日本産MSM系、韓国産SWN系、韓国産KJR系、domesticus亜種グループのフランス産BFM系、ブルガリア産BLG2系、デンマーク産MJL系を選んで、マイクロサテライトDNAの多型を分析した。今回は10本の染色体をカバーするMitのミクロサテライトDNAプライマーを用い、PCR法によって増幅されたDNA断片の長さを電気泳動法によって比較した。比較する二つの系統間で20種類のプライマーのうち何種類がマイクロサテライトDNAの長さの多型を示すかを%で表し、この結果を用いMJ法によってデンドログラムを作った。マイクロサテライトDNAの多型に基づいて推定した各々のハツカネズミ亜種の分岐図は、我々がこれまでに多数の遺伝的特性に基ずいて推定した亜種グループの分岐図とよく一致する。多くの機能的遺伝子と異なり、マイクロサテライトDNAの長さの変異は進化的に中立であると考えれば、分子時計として系統間の分岐年代の推定に適している。
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