研究課題/領域番号 |
07459001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
池田 元美 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (50261227)
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研究分担者 |
日比谷 紀之 東京大学, 海洋研究科, 助教授 (80192714)
大島 慶一郎 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (30185251)
安田 一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80270792)
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キーワード | 深層水形成 / 海洋中規模現象 / 海氷海洋相互作用 / 海氷海洋結合モデル |
研究概要 |
本研究では海氷海洋結合モデルを構築し、そこに各種プロセスモデルから得られた知見を統合することによって、海氷が発達する際に形成される高塩分高密度水が海洋中に分布していく過程を明らかにした。最終年度では、非静水圧海洋モデルを用いて、高塩分水が下降し拡散していく過程を解明することを試みた。部分的に海氷に覆われた海においては開氷面で冷却が急速に起こり高塩分水が沈み込む。用いたモデルは鉛直方向に静水圧近似を仮定していないので、鉛直混合プロセスをモデルのなかで再現することができる。重要な結果は、開氷面の大きさ、水平分布、そして運動によって形成される水が大きく異なることである。従来の大きな数値グリッドをもつモデルでは、この違いは無視されているが、適切なパラメータ化を行わなければならないことが示唆される。 もうひとつの成果は、全くこれまでにない新しい発想で確率モデルを構築したことである。従来のモデルでは、物理量は場所と時間の関数として与えられていた。確率モデルでは、物理量についてある領域のなかの平均値だけではなく、その確率にも注目する。すなわち、平均値が等しくても、本当に均一の性質をもつ場合といろいろな性質をもつ海水が混在している場合では、物理過程が異なるはずである。たとえば、いろいろな海水が存在していると、特に不安定となったところから鉛直混合が起こる。これを従来のモデルで表現する方法が必要であることが示唆された。 以上の成果は国際学会、国際学会誌で発表された。
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