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1996 年度 実績報告書

氷の高速衝突と衝撃波実験による高速雪崩、アイス・ブラストおよび氷天体衝突の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07459002
研究種目

基盤研究(B)

研究機関北海道大学

研究代表者

前野 紀一  北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (50001657)

研究分担者 杉山 弘  室蘭工業大学, 機械システム工学科, 教授 (70002938)
荒川 政彦  北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10222738)
西村 浩一  北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10180639)
キーワード氷 / 高速衝突 / 衝撃波 / 雪崩 / アイス・ブラスト / 氷天体
研究概要

氷の高速衝突や衝撃波に対する動的性質については、技術的困難のためこれまで詳しい研究があまり行われなかったが、本研究では、氷が主体的に関与する次の3つの現象に関してそれぞれの物理メカニズムの解明、相互の関連およびその応用のための基礎研究を進めた。第1の現象は冬季豪雪地域で発生する高速雪崩である。高速雪崩の発生予測、防御対策のためには、氷および雪の高速衝突過程における物理メカニズムの解明が不可欠である。第2の現象は工学的問題で、アイスブラストおよび浮遊氷微粒子中の高速物体あるいは衝撃波の通過の問題であり、第3の現象は太陽系原始惑星形成時における氷微惑星衝突の現象と、氷天井・惑星衝突の現象である。
本年度の研究は、2種類のターゲット(A :氷粒子集合体、すなわち雪ブロック、B :浮遊氷粒子)についての3種類の衝突実験で進められた。
(1)軽ガス銃による氷弾丸衝突の方法については、北大低温科学研究所の大型低温実験室に設置されている一段式軽ガス銃を用いてターゲットAとターゲットBの実験を行った。種々の厚さの雪試料に氷弾丸を衝突させる実験条件は、温度-15℃、衝突速度100-700m/s、雪試料の厚さ0.3-4cm、密度330kg/m^3であった。衝突直後の試料後面粒子速度が、衝突点からの距離および角度とともに減少するという結果が再確認された。またこれらの解析を進めることにより、雪試料中の粒子速度の2次元分布図が得られた。
(2)衝撃波管による方法は、室蘭工業大学で稼動中の衝撃波管を用いるために冷却ユニットの設置が終了したので、内部に氷微粒子を安定に生成する条件を測定し、衝撃波実験を開始した。特に、四角柱、三角柱を通過する氷微粒子の運動を調べる流れの可視化実験では、粒子の存在しない、いわゆる空白域と渦の挙動が明らかになった。
(3)スキージャンプ台による自由滑走の方法に関しては、札幌市内のスキージャンプ台の選定が終わり、本実験が冬期(3月)に実施された。データの数はまだ少ないが、雪ブロックが高速で運動する時の破壊と滑走の様子、および障害物との衝突の際の発生圧力が測定された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Higa, M.: "Measurements of restitution coefficients of ice at low temperatures" Planet. Space Sci.44 (9). 917-925 (1996)

  • [文献書誌] Kato,M.: "Ice-on-ice impact experiments" Icarus. 113 (2). 423-441 (1995)

  • [文献書誌] 杉山弘: "微粒子-気体衝撃波管内におかれた長方形柱まわりの流れの挙動" 衝撃波シンポジウム講演論文集. 175-178 (1996)

  • [文献書誌] 杉山弘: "微粒子-気体衝撃波管内におかれた角柱まわりの流れの挙動" 衝撃波シンポジウム講演論文集. 519-524 (1997)

  • [文献書誌] Nishimura, K.: "Seismic signals induced by snow avalanche flow" Natural Hazards. (in press). (1997)

  • [文献書誌] Sugi, N.: "In-situ Mass Spectrometric Observation of Impact Vaporization of Water ice" Proc. 29th ISAS Lunar and Planetary Symp.166-169 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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