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1996 年度 実績報告書

組織を粉砕・切離する手術器械の使用中に飛散する粉じんの発生状況と拡散に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07459006
研究機関筑波大学

研究代表者

石川 詔雄  筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (50134226)

研究分担者 斎藤 重行  筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20186935)
田中 栄之介  筑波大学, 社会医学系, 講師 (30138416)
名古屋 俊士  早稲田大学, 理工学部, 教授 (90189176)
キーワード手術 / 手術機器 / 粉じん / 2次感染 / 手術用マスク / 手術衣
研究概要

本研究の目的は、昨年度に引き続き手術患者の血液や骨・組織片に由来する粉じんの発生状況と拡散状況を明らかにする事にある。
1.手術室内の粉じんの形態観察:走査電子顕微鏡を用いた観察によると手術室内では手術中の患者から飛散したと考えられる粒径数ミクロンの骨性粉じんや手術衣の素材である綿性、パルプ性粉じんが認められた。さらに骨を削る骨ドリルを用いた脳外科や整形外科の手術で医師や看護婦が着用した手術用マスクの表面と裏面に粒径10μm以下の骨性粉じんを多数認めた。手術室の医師や看護婦は患者組織に由来した粉じんによる曝露の危険がある。
2.手術機器使用中に発生する粉じんの拡散状況:デンキメスやアルゴンビーム焼灼装置より発生する焼灼された組織に由来したカーボン粉じんと比較して骨ドリルや超音波外科用吸引装置より発生する骨や肝組織に由来した粉じんの質量は重く拡散半径もせまい。そのため直接、手術にたずさわる医師や看護婦は、手術野から離れて働く医療者に比較して粉じん曝露の危険性が高い。
3.手術中の粉じん濃度の経時的観察:手術機器より発生する粉じんは機器使用時だけ断続的に飛散し、濃度も一時的に高値となる。しかし、手術の全経過を通してみると総粉じん濃度はそれほど高くない。すなわち手術機器使用前後の瞬時の粉じん濃度の差は数千倍に達することが予想される。そのため手術中の粉じん濃度の測定においては数秒から数分間隔の連続測定が必要となる。
4.今後の研究展開:手術中の医師や看護婦に対する防じん対策を早急に講ずるためにも、粉じんの3次元的拡散状況の研究や粉じんの感染性をみるための粉じんの生物学的研究および医療者個人が携帯可能な粉じんのモニタリング機器の開発などについての研究が急務である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 三宅弘子: "手術用マスクの防じん性について" 日本手術医学会誌. 17(2). 202-204 (1996)

  • [文献書誌] 石川詔雄: "手術操作中に発生した粉じんの曝露による感染の危険はないか" 日本手術医学会誌. 17(2). 207-209 (1996)

  • [文献書誌] 石川詔雄: "手術機器操作中に血液・組織片より発生する粉じん濃度について" 日本手術医学会誌. 17(3). 328-331 (1996)

  • [文献書誌] 三宅弘子: "各種手術用マスクの密着性に関する検証" 1996年度呼吸保護に関する研究発表会講演抄録集. 18-21 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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