研究課題/領域番号 |
07459014
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
黒沢 英夫 大阪大学, 工学部, 教授 (40029343)
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研究分担者 |
生越 専介 大阪大学, 工学部, 助手 (30252589)
垣内 喜代三 大阪大学, 工学部, 講師 (60152592)
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キーワード | π-アリルパラジウム錯体 / オキソトリメチレンメタン錯体 / プロパルギルパラジウム錯体 |
研究概要 |
本研究の目的は、広範囲な金属種と有機配位子の組合せからなる有機金属複合系に関する反応編の確立を目指し、合成化学的応用への新展開を計ることである。 1)π-アリル錯体の精密構造制御と反応制御 アリル基の2位にクロロメチル基を有するπ-アリルパラジウムを誘導体を合成し、溶液構造をNMRで確立した。パラジウム上のもう一つの配位子がシクロペンタジエニル基の場合錯体は単量体で存在し、一方フェニルチオ基を有する錯体は二量体であることが判明した。これらいずれの錯体でも、クロロメチル基の塩素原子とパラジウム上の配位子とが容易に交換して、全く新しいπ-アリル錯体に変換されることが分かった。これらの変換反応では、トリメチレンメタンパラジウムが鍵中間体として存在することを推定した。またこの中間体の酸素置換アナログであるオキサトリメチレンメタンパラジウムの合成、構造決定、反応性解明もあわせて行った。 2)アルキン-金属複合体の精密構造制御と反応制御 プロパルギル基がパラジウムにsp^3炭素のみで配位する錯体を出発錯体として色々な工夫によりアルキン部位がパラジウムに配位する錯体の合成と構造決定を行った。まずAg^+によるパラジウム上のハロゲンの引き抜きにより単核のカチオン性η^3-プロパルギルパラジウム錯体を単離し、X線構造解析により特異な屈曲型プロパルギル配位子の存在を確認した。つぎにゼロ価パラジウムとの反応により、二核Pd-Pd結合上に直線状のプロパルギル基が平行配位するきわめて異例の構造を有する錯体を合成し、X線で構造の確認を行った。この二核錯体は、金属表面吸着モデルとも見なせる。
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