平成7年度内に当初計画した研究目標は、ほぼ達成できるのではないかと楽観している。これまでの入手した第一次史料をコンピュータに入力して、次のような仕事を完成しつつある。1.資料目録。(日中双方文献)2. 7000人顧問リスト。3.顧問職業別リスト4.顧問地域分布リスト5.顧問研究関連資料と資料リスト6.顧問の日本出身地一覧表(作業中)7.顧問の日本での職業別調査表(作業中)。 今年は、史料の収集を主としている。新たに得られた知見は少ないが、あえて言えば、第一に日本人顧問の活動地域と時期は、基本的に当時の日中関係と緊密に関連しているが、その中に何らかの個人的な関係で中国に招聘されていた顧問も存在していた。第二に「政治顧問」と「技術顧問」を区別するには、何をもて基準とするのかが大変困難で、少し悩んでいる。 しかし、問題は二つ程ある。一つは、顧問活動年表の作成は、多くの事件と人物に関わっているので、予想以上に時間がかかり、場合によって来年の夏休みまでに伸ばさなければならない。もう一つは、中国側史料の収集は、全体的に順調に進んでいるが、第二次資料より第一次史料の収集作業が、予想より手間がかかる。 以上のような作業とは別に「民国初期における日本人顧問-有賀長雄を中心にして-」というやや長い論文は、『国際政治』編集委員会から採用するという連絡があり、また「1885年来華日人顧問-招聘過程的考察」という論文も中国の『歴史研究』に採用することになったのである。
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