研究課題/領域番号 |
07459026
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
中村 元臣 中村学園大学, 大学院・栄養科学研究科, 教授 (60037322)
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研究分担者 |
阿部 志麿子 中村学園短期大学, 食物栄養科, 講師 (60192994)
増田 隆 中村学園短期大学, 幼児教育科, 講師 (60211562)
今井 克巳 中村学園短期大学, 食物栄養科, 助教授 (60203288)
伊藤 和枝 中村学園大学, 家政学部, 教授 (80104983)
中村 元臣 中村学園大学, 大学院・栄養科学研究科, 教授 (60037322)
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キーワード | 肥満 / 中枢機能 / 満腹液性因子 / 食事療法 / 食事性産熱 / 運動生理学 / 代謝学 / 内科学 |
研究概要 |
1997年度は1996年度にひきつづき福岡市周辺地域より肥満の是正を試みるクリニック教室に応募された120名の中から、研究の目的に沿う43名を選び1995,1996年度の58,44名と合計し145名について検討し以下の成績を得た。 1)肥満と中枢機能との関係 肥満者では時間認知能の異常と食行動の異常が再確認され、肥満の是正に成功したものでは、それらの異常が正常に近づく傾向を認めた。 a)視床下部満腹中枢刺激因子のひとつと考えられている血中3-ヒドロキシ酪酸(3-hydroxybutyric acid以下3-HBと略す)の濃度は、体重減少につれて著しく上昇した。血中総ケトン体に占める3-HBの割合(%)で求めても3-HB(%)は減量に伴い有意に上昇した。この上昇は24カ月も続いている。更に肥満遺伝子ob遺伝子のcDNAをコードするレプチンは摂食抑制作用とエネルギー消費量増加作用を持つことが近年明らかになりつつあるので、本研究でも血中レプチン濃度と体重の推移との関連を1997年より検討した。その結果、肥満者78名の血中レプチン濃度(ng/ml)は平均14.9±0.66であり、血中レプチン濃度とBMI(kg/m^2)、体重(kg数を対数変換した)、体脂肪率(%)、体脂肪量(kg)、MRIにより測定した腹部皮下脂肪(面積cm^2)、内臓脂肪(cm^2)総脂肪(cm^2)のいずれとも高い正相関を示した(すべてP<0.001)。しかし、血中レプチン濃度と体重の再上昇(いわゆるリバウンド)との関係は認められなかった。 b)食行動に関するアンケート調査を行い,ひずみの程度を得点化した。BMIと食行動得点との間に正の相関を認めた。食行動の得点は肥満クリニック開始時に比して4カ月後有意に減少し、24カ月後も減少傾向を続けていた。 2)肥満者ではインスリン抵抗性が亢進していた。このインスリン抵抗性の亢進は肥満の是正に伴い正常化した。 インスリン抵抗性の改善度と腹部脂肪面積の減少度との間に正相関を認めた。 3)リバウンドを予測しうる因子は種々検討したが、明らかな因子を確定することは出来なかった。 4)日本人の肥満者では、肥満動物の研究成績と異なり、(イ)食事と運動の指導のみでは減量しにくく、食行動異常の治療を中心とした内科的指導により初期に少しでも減量に成功させることが重要であること、(ロ)減量指導には1日4回の体重測定記録を用いた食行動異常の是正を自ら認識させることが極めて重要であること、(ハ)2カ月以上肥満是正を維持し続けるには知識よりも、体験による認識など脳機能の関与が大きいこと、(ニ)リバウンドの防止に関する因子としてレプチン抵抗性が考えられるが、レプチンや3HBのみではリバウンドを予測する事は困難であること等の結果を得た。
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