研究課題/領域番号 |
07504002
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小川 英夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20022717)
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研究分担者 |
田村 泰孝 富士通研究所, 機能デバイス研究部, 主任研究員
福西 浩 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90099937)
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キーワード | ミリ波受信器 / 超伝導 / 大気微量分子 / 成層圏 |
研究概要 |
大気微量分子のミリ波分光観測には高度80Kmまでの高度分布を測定可能であり、又、輝線を観測するので昼夜を分かたず測定でき、更にエアロゾルの影響を受けず、多少の雲でも測定可能で連続観測が容易等の多くの利点を持つ。 我々は100Ghz帯で雑音温度34K(SSB)超伝導(SIS)ミクサ受信器を用いた大気オゾン高度分布測定装置を開発し、従来よりの観測より1桁小さい積分時間で測定に成功した。 我々は1994年5月から1995年5月にかけての約1年間は、天候による中断があるものの、梅雨等を除いて同一観測モードでのほぼ連続的な観測を行なった。この期間の観測から得られた一年以下の変動について研究を遂行した。 オゾン混合比を求めるには、大気モデルとしてCIRA'86モデルを採用し、第一近似としては、Brilletの経験式に比例するものと仮定し、オゾン線輝度から補正量を求める方法を取った。計算した高度はBrilletの経験式からのずれが圧力の対数に対し一次式になるときに正しい高度を取ると誤差が最小になるが、この高度は大気の年周変化にするので、その年平均の高度に就いて行なった。この高度の変動は僅かなので、年平均を取ったことによる誤差はそれ程大きくない。この方法で得られた結果は、昼間のオゾン混合比に就いては繰り返し法の結果と大差無い。夜間に就いては上部中間圏で30%程度の誤差がある。成層圏では夜間も誤差は小さい。現在は同じ処理を観測時にリアルタイムで行なっている。 これらのデータより、混合比の極大が夏季に低く、冬季に高いこと、成層圏には半年周期の変化があること、一月以下の変動があること等が判明した。1994年10月から1995年1月にかけて太陽地球環境研究所でのライダーによる成層圏温度の測定との同時観測が9回行なわれているが、オゾン混合比との相関は見いだされなかった。
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