研究概要 |
この研究で得られた主な成果を以下にまとめる。 (1)3-40Kの温度領域に磁気変態点を有する希土類元素とAgを組み合わせた磁性合金の低温比熱と磁気特性を評価した。その結果、Er-Ag, Er-Ag-Al, Er-Ag-Ga, Pr-Ag, Nd-Ag, Pr-Nd-Ag系において巨大磁気比熱と高い熱伝導率を合わせ持つ蓄冷材料の開発に成功した。Er-Ag系では、10-20Kの温度領域でErNi_3を越える比熱を得た。またその熱伝導率はEr_3Niの5-10倍を得た。一方、Pr-Ag系では10K以下で1J/Kcm^3を越える比熱、Nd-Ag系では、20K以上の温度領域で1.5J/Kcm^3の大きな比熱を得た。これらは今まで得られた物質の中で最高の値である。 (2)Er-Ag系合金を0.1-0.2mm径の球状粉にすることに成功した。これを蓄冷材料として搭載したGM冷凍機でその冷凍特製を評価し最低温度7Kを達成した。 (3)既存のGM冷凍機を改良し、高圧側と低圧側に圧力センサーを、また蓄冷材料の内の色々な場所に温度センサーを導入し、蓄冷材の冷凍特製を評価出来る装置を完成した。
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