研究課題
基盤研究(A)
タービン入口温度が1000℃以上あればその総合発電効率はそのレベルに殆ど影響されず60%以上となるという、世界で初めての次世代ガスタービンである、燃料過濃火炎(ケミカル火炎)を採用する新しいガスタービンシステム(ケミカルガスタービンシステム)を提案している。本システムは従来法と全く発想が逆転した手法であり、これを構成することにより熱力学的に熱の利用効率の大幅な向上を図ることができる。そこで、本ケミカル燃焼方式を用いた新高温ガスタービン発電法の実証試験およびその解析を行うことを目的とし、本研究では、特にこれまで全く研究が行われていない第一段ガスタービンを試作し、その運転試験・解析を行うことを最終目的として、種々の検討を行い以下の成果を得た。1.平成8年度に試作した2.6kW小型ケミカルガスタービンのケミカル燃焼器部の作動実験を実施し、燃料過濃燃焼を伴うガスタービン発電に関する一連の作動特性を得た。4.150kW級高温・高圧モデル燃焼器(圧力1〜2Mpa)を用いて、ケミカル燃焼(燃料過濃燃焼)の火炎構造を測定・解析し、高圧燃焼の火炎特性に及ぼす圧力と当量比(空気比)の依存性を明らかにした。特に、燃料過濃条件と希薄条件における火炎構造の相違について、明らかにした。5.平成8年度に開発した、単純円筒形状を対象とする同軸噴流式(出力約150kW)ケミカル燃焼器のシミュレーションコードを用いて、種々の条件における高圧燃焼シミュレーションを実施し、高圧モデル燃焼器を用いる実験結果と比較検討した。
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