研究課題/領域番号 |
07505009
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研究種目 |
試験研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
園田 昇 大阪大学, 工学部, 教授 (20083983)
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研究分担者 |
柳 日馨 大阪大学, 工学部, 助教授 (80210821)
小川 昭弥 大阪大学, 工学部, 助教授 (30183031)
神戸 宣明 大阪大学, 工学部, 助教授 (60144432)
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キーワード | 炭素-炭素結合生成反応 / テルリドの付加反応 / 交換反応 / 有機リチウム化合物 / セレン触媒 / ラジカルカルボニル化 / 一酸化炭素 |
研究概要 |
本研究は、高効率・高選択的分子変換法の創出を目的として、テルル、セレン、スズ、ケイ素などのヘテロ元素の反応特性を積極的に活用することにより、新しい方法論に基づく炭素-炭素結合生成反応を開発し、有機分子の基本炭素骨格の新構築手法を確立するとともに、合成化学的応用面の開拓を行う事を目的としている。本年度の研究成果は、以下の通りである。1.テルリドの炭素-炭素不飽和結合へのラジカル付加反応を、種々のアセチレン類およびオレフィン類を用いて検討し、炭素-炭素結合生成を伴う有機テルル化合物の新しい生成法として、有機合成反応への応用研究を行った。その中で、ジビニルテルリドの立体選択的合成法を開発した。2.カルボニル基の極性反転型導入法の確立を目的として、リチウム-テルル交換反応を利用し、アシル、アロイル、カルバモイルリチウム類の効率的発生とその捕捉反応を検討した。3.有機リチウム化合物と種々のヘテロ原子化合物との交換反応における相対反応速度を明らかにした。4.セレン存在下、カルボニル化合物など、比較的酸性度の高い水素を有する化合物の一酸化炭素によるカルボニル化反応を検討し、セレノカルボン酸エステル類の新しい合成反応を開発した。5.一酸化炭素によるアミン類のセレン触媒カルボニル化反応について、その遷移状態および中間体の構造とエネルギーを理論化学的に明らかにした。また、セレン触媒を用いることにより、環状テトラアミン類から、新規な環状尿素類を合成し、その構造をX線結晶構造解析により明らかにした。6.一酸化炭素と炭素ラジカルとの反応の動力学的研究、およびラジカルカルボニル化反応の活性中間体であるアシルラジカルの、構造と安定性に関する理論化学的研究に着手し、ラジルカルボニル化反応の制御と高効率化、ならびに合成化学的応用に向けての基礎的研究を行った。
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