研究課題/領域番号 |
07505011
|
研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
佐々木 昭夫 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (10025900)
|
研究分担者 |
早藤 紀生 三菱電機KK, 光・マイクロ波デバイス研究所, 主事研究員
若原 昭浩 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (00230912)
|
キーワード | InAs / GaAs量子構造 / InGaN / GaN成長 / プラズマ励起GaN成長 / プラズマ励起InGaN成長 / InGaN相分離 |
研究概要 |
超高真空対応走査型トンネル顕微鏡に関しては、現用装置が表面観察型であるのを、へき開面観察型に改造する必要がある。当初は大きな改造を必要としたものであった。しかし、製造企業担当者の選択と数度に亘る討議により、十分簡易な改造法を見出し、その方法の調整に入り得た。なお、この方法では、必要に応じて表面観察に復元し得るものである。 InAs/GaAsを積層した試料を分子線エピタキシァル法により作製した。成長温度を変えて、InAs量子ドット寸法の異なる個々の試料に対して、スペ-サであるGaAsの厚さを順次変えてある試料である。この試料を評価することにより、InAsの量子ドットが不規則に配列するには、GaAs厚さをInAs量子ドットの高さの2倍以上にする必要があることを見出した。発光機能の詳細については、励起光強度変えて調査中である。 InGaN/GaN系材料による量子構造作製について、InNとGaNの格子定数差が大きく、In組成が増すほど完全混和することが困難である。この件については、米国ユタ大学から理論的に指摘されていた。我々の実験により、In組成の大きい区域と少ない区域に分離して存在することを実験的に見出した。現在、この組成分離区域が量子構造を形成し、発光機能増大に寄与していると云う説が出されている。しかし量子効果を得るには、その寸法が大きいため、反対の意見もある。我々の研究で、プラズマ励起の方法により、低温においてでも、より良い混和にする結果を得ている。InGaN/GaNによる量子構造形成において、プラズマ励起がどのように優れているか実験的に調査中である。 以上の基礎的知見が、今後これらを基にした発光デバイスへの展開に道筋を得たものである。上に述べた成果は、海外の学術論文誌4編に発表している。
|