研究課題/領域番号 |
07505013
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研究種目 |
試験研究(A)
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
青柳 克信 理化学研究所, 半導体工学研究室, 主任研究員 (70087469)
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研究分担者 |
岩井 荘八 理化学研究所, レーザー科学研究グループ, 先任研究員 (40087474)
張 随安 理化学研究所, 半導体工学研究室, 協力研究員 (20260218)
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キーワード | 短パルス超音速ビームエピタキシ法 / 並進運動エネルギー / 素過程を制御 / 拡散を促進 / 半導体薄膜の結晶成長 / SSBE法 / 高速応答の電子線回折観察 / 吸着原子の脱離過程の観察 |
研究概要 |
短パルス超音速ビームエピタキシ法(SSBE(Short pulse Super sonic Beam Epitaxy)法)を新たに開発した。この結晶成長法はミリ秒のパルス幅で、数eVの並進運動エネルギーを持った原料ビームを基板表面に入射するもので、従来のMBEやMOCVDに比べ多くの特徴を持った新しい結晶成長法である。すなわち、結晶成長の素過程は原料の供給、分解、拡散、脱離に分けることが出来るが、従来これらの素過程を制御するためには温度を変える以外にはなかった。しかし、SSBE法では原料ビームのエネルギーが原料分子の結合エネルギーと同等の為、そのエネルギーを適当に選択する事により、原料の表面での反応過程を制御出来ること、持ってる運動エネルギーのため、表面での原料分子の拡散を促進出来ること、また、脱離も入射ビームの種類やそのエネルギーによって制御出来ること等結晶成長にはなくてはならない種々の特徴を持っている。また、短パルスは膜成長の厳密な制御を可能にし更に、表面での結晶成長の素過程に対していままでに得られない知見を与えてくれる。本研究では従来に無い新しい結晶成長法SSBE法を開発し、その特性を見極めることを目的にしている。本年度得られた結果は、1)超音速ビームによるGaAs半導体薄膜の結晶成長に成功した。2)SSBE法により1パルスあたり0.1分子層以下の極めて精密な成長制御性を実現した。3)幅数ミリ秒の短パルス超音速分子ビームを順番に照射することによって、結晶成長表面の化学反応や超構造変化をミリ秒の時間領域で制御できることを示した。4)高速応答の電子線回折観察装置およびミリ秒応答の光反射差装置を用いてミリ秒領域の構造変化、原料分子の分解或いは吸着原子の脱離過程の観察と測定に成功した。
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