研究課題/領域番号 |
07505019
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
斎藤 好弘 大阪大学, 工学部, 教授 (20029101)
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研究分担者 |
宇都宮 裕 大阪大学, 工学部, 助手 (80252584)
左海 哲夫 大阪大学, 工学部, 講師 (80029298)
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キーワード | 連続圧延 / 延伸制御圧延機 / スタンド間力 / 板圧延 / 線材圧延 / 機械的性質 / 集合組織 / 圧延特性 |
研究概要 |
本年度はまず延伸制御圧延機本体に圧延荷重(大東製作所DG5ch)、スタンド間力(大東製作所DG8ch)、圧延トルク(大東製作所DG5chTQ)の各測定装置を取り付け、それらにより各特性値が正確に測定できることを確認した。つぎに締め込み法により圧延機の弾性変形特性を調査した上でH-H配列でアルミニウムの平条および平線の圧延を行った。 圧延実験に際しては、まずスタンド間力が無張力となるロール周速を実験的に求めた。次に求められたロール周速に対して、下流のスタンドのロール周速を速くすることでスタンド間に引張力を、逆に遅くすることによって圧縮力を発生させた。これにより圧延中のスタンド間に大きな引張・圧縮力を作用させること及びその正確な直接的な測定が初めて可能となった。しかしながらスタンド間に過大な張力を付加するとロールと材料の間に不安定な滑りを生じ、一方、過大な圧縮力を付加すると材料がスタンド間で座屈、あるいは蛇行して良好な製品が得られず、圧延可能な範囲が存在することが明らかになった。 以上の方法により材料の長手方向の伸びすなわち延伸率を広範囲で制御することが可能となり、その効果は素材のアスペクト比(板幅/板厚)が小さいほど、また圧縮力を付加した際に特に顕著であった。また、張力を付加すると圧延荷重が特に中流スタンドにおいて減少し、トルクは上流スタンドでは減少し下流スタンドでは上昇した。圧縮力を付加するとその逆の傾向を示した。 製品特性については、圧延材の集合組織にはスタンド間力の明瞭な影響はみられなかったが、機械的性質については無張力圧延材に比べて張力付加圧延材は加工硬化量が若干大きく、逆に圧縮力付加圧延材では小さいことがわかった。
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