研究課題/領域番号 |
07505020
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研究種目 |
試験研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 豊信 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00111477)
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研究分担者 |
岩田 友夫 富士電機総合研究所(株), 環境・エネルギー研究所, 主任研究員
納富 啓 三菱重工(株), 長崎研究所, 主務
寺嶋 和夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30176911)
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キーワード | ハイブリッドプラズマ溶射法 / SOFC / Ni-YSZサツメット / YSZ / La_<0.9>Sr_<0.1>MnO_3 / 最大電力密度 / 開放端電圧 |
研究概要 |
本年度はまず単セル構成各要素の溶射条件の最適化を行った。燃料極では、ト-チ-基板間距離のみを制御してNi-YSZサ-メット膜の堆積実験を行い、高周波入力48kWにおける最適ト-チ-基板間距離13cmを得た。電解質では、緻密性の向上のために350Torrの減圧下でYSZ膜の溶射を行い、断面SEM観察や、起電力測定時の開放端電圧向上から緻密化が確認された。空気極では、プラズマ中でのLa_<0.9>Sr_<0.1>MnO_3粉体の蒸発を防ぐために、プラズマフレームの下部に半径方向に粉体を供給した結果、膜の多孔性が向上した。La_<0.9>Sr_<0.1>MnO_3膜の1000℃での導電率は57.4S/cmであった。 これらの溶射条件をもとに単セルの作製を行った。本法ではまず直径25mmのhBN基板にNiOとYSZの混合粉体を膜厚約2mmに溶射堆積後、これを基板から剥離して燃料極基体とした。次に燃料極基体を基板として電解質であるYSZ及び空気極であるLa_<0.9>Sr_<0.1>MnO_3を順次溶射して単セルとした。電極面積は0.64cm^2という小さい単セルではあるが、1000℃において起電力測定を行った結果、最大電力密度は0.73W/cm^2という高い値が得られ、今までの本研究室における最高値0.47W/cm^2(電解質のみをHYPSで作製)を約55%向上した。開放端電圧でも1.01W/cm^2が得られ、電解質の緻密化が確認された。電解質膜厚は約40μmという薄い膜であり、このような薄く緻密な電解質膜を作製できたことが電力密度向上の最大の要因である。この結果から、HYPSという単一のプロセスで単セルを作製できる本法の簡便性に加え、性能面からも本法の有効性が証明された。 更に、平成8年度以降に予定しているセルの大面積化のために、基板回転軸が水平方向に移動可能なチャンバーの設計・製作を行った。
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