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1995 年度 実績報告書

高分子吸着形態をプロープとした界面構造の分子設計・制御と機能性複合材料の創生

研究課題

研究課題/領域番号 07505024
研究種目

試験研究(A)

研究機関神戸大学

研究代表者

中前 勝彦  神戸大学, 工学部, 教授 (40031075)

研究分担者 西野 孝  神戸大学, 工学部, 助手 (40180624)
キーワード高分子 / 吸着 / 界面 / 表面 / 複合材料 / 表面間力 / 分散性 / 分子設計
研究概要

本研究は複合材料においてバインダーとなる高分子の化学構造の制御を通して,高分子の吸着形態をプローブとした界面構造の分子設計・制御を行い,各種機能性複合材料を創製することを目的としている。そこでまず,特定の親水性官能を目的の部位に導入した単分散高分子の合成を試みた。その結果,末端にアミノ基を有し,分子量分布(Mw/Mn)が1.05程度の比較的単分散なポリスチレンを合成することができた。次いで,予め電子顕微鏡・ESCA・表面積測定装置・拡散反射FTIR,熱分析によりキャラクタライズを行ったγ-Fe203粒子に対する吸着挙動を検討したところ,Langmuir型の単分子吸着が生じていることが明らかとなった。一方,官能基を含有しないポリスチレンは粒子に対して全く吸着せず,疎水性骨格中に導入した親水性官能基が高分子の吸着に重大な影響を及ぼすことを明らかにした。この際,モデル的に平板状への吸着形態を平成7年度の申請備品である表面間力測定装置,表面圧-面積曲線,エリプソメトリーを併用して検討したところ,低分子量物では吸着層中での分子鎖の濃度が密であり,一方,高分子量物では,溶液中での糸まりの形態を反映した吸着形態を有していることを明らかにした。実際の磁性塗膜,塗料においては粒子をいかに高分散させるかが重要となる。そこで,磁性粒子と言うことから,磁性塗膜を作製し,その飽和磁化と残留磁化の比,いわゆる角型比を分散性の目安として評価した。その結果,低分子量の末端アミノ化ポリスチレンを吸着させた場合,0.88という角型比を得ることができた。この値は,市販磁気記録媒体の角型比が0.8程度であることを考え併せると極めて高い値と言うことができる。従って,吸着高分子の吸着層密度が大きい場合,粒子の分散安定性を向上させることが期待でき,今後高分子の化学構造の制御,吸着形態の評価を通して,複合材料の高性能化,機能化を図って行く予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K. Nakamae: "Microphase Separation and Surface_Properties of Segmented Polyurethane Effect of Hard Segment Content-" International J. Adhesion and Adhesives, in press.

  • [文献書誌] 中前勝彦: "官能基を導入したセグメント化ポリウレタン樹脂の相構造と界面構造の関連性" 日本接着学会誌. 31. 70-75 (1995)

  • [文献書誌] 中前勝彦: "セグメント化ポリウレタン樹脂の相構造と界面構造の関連性" 日本接着学会誌. 31. 38-43 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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