研究課題/領域番号 |
07505028
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研究種目 |
試験研究(A)
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
藤田 賢二 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40107529)
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研究分担者 |
貝谷 吉英 (株)荏原総合研究所, 環境研究所, 研究員
高橋 克夫 木更津工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (20005490)
滝沢 智 東京大学, 工学部(試), 助教授 (10206914)
山本 和夫 東京大学, 環境安全センター, 教授 (60143393)
大垣 眞一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20005549)
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キーワード | 膜分離 / 浄水処理 / 汚泥濃縮 / 大腸菌 / 大腸菌ファージ / 分子量分画 |
研究概要 |
本年度は膜分離濃縮排水の性状を確かめるとともに、濃縮排水をさらに濃縮するための各種処理方法を検討した。 濃縮排水において問題になるものとしてウィルスを取り上げた。モデルウィルスとして膜公称分画径より小さな大腸菌ファージQβを用い、膜浄水プラントにおけるウィルスの挙動を調べた。その結果、膜面抑留物の増加とともにファージQβの除去率が高くなり、空気洗浄後の除去率の回復は速やかであることが判明した。また、膜破断に伴う大腸菌およびウィルス流出特性についても調べた。膜によってウィルスが効率的に除去されることは、洗浄排水にはウィスルが高濃度に濃縮されることを意味し、濃縮排水を衛生的に処理する必要があることを改めて確認した。 排水をさらに濃縮する手段として、自然沈降、凝集沈降および膜分離を検討した。膜分離による濃縮実験では、中空糸精密濾過膜を特殊なハウジング内に挿入し、濃縮倍率を高める工夫をし、膜目詰まりや膜糸間閉塞を起こすことなく、濃縮液濁度を2〜4%(流入水の200倍濃縮)にすることができた。 膜汚染物質には多環芳香族化合物の他、多糖類、蛋白質およびアミン等が含まれていることが確認され、精密濾過による濃縮処理では、これら分子量の小さい微量有機物や重金属は膜を通過して主プロセスへ環流することになる。これをナノ濾過膜により処理することを試み、分子量40〜350程度の有機物質の阻止率の圧力依存性を液体クロマトグラフィを用いて調べている。また、膜除去特性とともに、膜濃縮水の処理結果および環流水の水質に影響を及ぼす鉄、マンガン等については、走査式直読分光光度計により測定した。
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