研究分担者 |
瀧野 眞二郎 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (90115874)
澤田 豊 京都大学, 農学研究科, 助手 (80226076)
山内 龍男 京都大学, 農学研究科, 助教授 (40093330)
仲村 匡司 京都大学, 農学研究科, 講師 (10227936)
奥村 正悟 京都大学, 農学研究科, 教授 (40109046)
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研究概要 |
1.応力-ひずみ曲線の負荷時と除荷時の曲線の違いはヒステリシスループと呼ばれているが,このループによって囲まれるエネルギが大きいということは塑性変形が生じていることを表している.またこのエネルギのほとんどは熱エネルギに変換されると考えられるので,発熱箇所を見つけることはその材の欠陥部を見つけ出すことになる.繰り返し負荷を与えることにより,ループの回数を稼げばそれだけ発熱量が多くなり,市販の熱画像装置で発熱部を見つけることが可能となる.有節材の曲げ試験を行い,edge knot(外縁節)の目切れや節内部の割れにおいて発熱が生じやすいこと,またcenter knot(中央節)においては発熱はほとんどなく,強度低下に影響のある節が特によく発熱することを観察した. 2.フィンガージョイント部の曲げ試験を行った結果,フィンガーの最外縁が目切れとなるため,圧縮側,引張側のいずれにおいても外縁のみで発熱が観察されたが,引張側の方が圧縮側よりも発熱量は大きかった.この部分に応力がより集中していることが推測される.縦圧縮においても最外縁のフィンガーで発熱が生じた. 3.LVLについても曲げ試験を行ったが,破壊荷重より低い荷重では顕著な発熱は観察されなかった.この試験体では最外層単板にバットジョイントはなく,内部の層のみにバットジョイントが存在する構成であったので,大きな応力集中の生じる箇所(欠陥)がなかったと言える. 4.メタルプレートコネクタで縦継ぎされた2×4材の曲げ繰り返し負荷を行った結果,コネクタの最外縁での発熱が大きく,かつ縦継ぎの接続部に近いほど発熱が大きかった.縦引張試験においても接続部の方がコネクタエッジより大きな発熱が観察された.このように熱画像を観察することにより,コネクタ内での応力集中の様子が推測できる.
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