研究課題/領域番号 |
07506003
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高倉 直 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50011929)
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研究分担者 |
荊木 康臣 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50242160)
後藤 英司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00186884)
蔵田 憲次 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90161736)
西 功 山口東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (40084454)
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キーワード | 安全同位体 / 光合成 / 呼吸 / 紫外線ケイ光 / レーザ照射 |
研究概要 |
植物工場のような安定かつ高能率な野菜生産システムにおいて、生長を最大にし、かつ高品質な野菜を生産するためには、環境条件の最適化を目的として、植物生体情報の正確な計測が不可欠である。しかし、植物環境条件と植物生理の関係はまだ十分には明らかにされていない。そこで、安全同位体を用いて、光合成と呼吸作用を同時に計測するシステムを開発し、同時に植物にレーザ光を照射して、その蛍光反応を捕らえて、植物の状態を総合的に解析するマルチエイジェントシステムの開発を目的とした。 本年度は、前年度に試作した、計測の中心となる安全同位体比測定用精密質量分析計の試験的計測と、レーザ光照射による植物葉の蛍光反応の計測装置の試作と予備計測を行った。 まず、安全同位体比計測では、ポトスとトウモロコシを実験に供した。3Lのリ-フチャンバー、1Lのガス供給装置と人工光源からなる測定装置を製作した。まず、チャンバー内の^<12>CO_2濃度を500ppmまで上昇させた後、光を照射し、10分後に^<13>CO_2を加え、さらに15分後に光照射を停止し、明期と暗期について、この二つのガス成分の濃度変化を精密質量分析計で計測した。25分間の明期においては最初に依存した通常ガスから合成された光合成産物の分解はないとすると、安全同位体ガスの吸収が通常のガスより大きくなったという精密質量分析計の測定結果から、光合成と呼吸との分離独立計測が可能であることが判明した。 次にアルゴンレーザ(波長488nm,出力5mW)を用いた蛍光反応計測システムを試作し、播種して32,43,53日目のホウレンソウを用いて、レーザ光誘因蛍光反応を計測した。5秒おきに一つの葉から10個の反応を計測した。クロロフィルaとbの蛍光はそれぞれ685nmと735nmにピークを持ち、その比はホウレンソウの生育とともに1.28から1.15と変化し、その傾向は生育が進むにつれ増加する傾向を示した。
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