研究課題/領域番号 |
07507009
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研究種目 |
試験研究(A)
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
巽 英介 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (00216996)
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研究分担者 |
増澤 徹 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (40199691)
中谷 武嗣 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (60155752)
妙中 義之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 部長 (00142183)
高野 久輝 国立循環器病センター研究所, 副所長 (60028595)
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キーワード | 解剖学的適合性 / 駆出性能 / 制御アルゴリズム / 埋込み型人工心臓 / 全置換型人工心臓 / アクチュエータ / 血液ポンプ |
研究概要 |
本研究の目的は、長期〜永久使用を目的としたエレクトロハイドロ-リック方式完全体内埋込み型人工心臓システムを開発することである。平成7年度は、まずシステムの設計については、本邦成人に対する適用が可能とする駆出性能上のスペックを決定した。また、MRIを用いて胸腔内の利用可能なスペースについて検討し、許容される容積および最適な形状を明らかにした。さらに、full-fill-full-emptyモードのための基本的制御法、心房カフシャントの規格を決定し、アクチュエータ・駆動電子回路・エネルギ伝送機構の設計および制御アルゴリズムの開発を行なった。また、血液ポンプ、心房カフシャントの設計も行なった。これらに基づいて、アクチュエータ、駆動電子回路製作、血液ポンプ・心房カフシャント、エネルギー伝送システムをそれぞれ製作し、次いでこれら各部分を組み立てて統合した。完成した一次試作システムの評価に関しては、まずin vitro評価としてモック回路でその基本的性能を評価した。引き続いて仔牛を用いた急性動物実験による生体内におけるシステム性能、血液ポンプの解剖学的適合性の評価を行い、in vivoにおける基本性能を評価した。その結果、一次試作の解剖学的適合性の規格に合ったサイズのアクチュエータでは、十分なポンプ駆出性能を得るための動力性能を生み出すことが困難であることが判明した。そこで、一旦やや大きめのサイズで十分な動力性能を有するアクチュエータを作成し、今後それを基にしてモータ効率の改善や摩擦ポンプ流路形状の最適化、オイルコンデュイットのサイズ・形状の改良などを行う方針とした。もう一つの問題として、生体情報を反映する信頼性の高い制御用シグナルのセンシング方法を確立する必要がある。現在は血液ポンプのオイル圧をモニターしているが、トランスデューサの耐久性などについてなお問題を残しており、今後の検討課題である。
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