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1995 年度 実績報告書

X線密着顕微鏡による細胞内原子・分子の高解像度イメージング分析

研究課題

研究課題/領域番号 07508001
研究種目

試験研究(A)

研究機関(財)東京都臨床医学総合研究所

研究代表者

篠原 邦夫  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 放射線医学研究部門, 研究員 (10112088)

研究分担者 本田 捷夫  千葉大学, 工学部, 教授 (10016503)
伊藤 敦  東海大学, 工学部, 助教授 (80193473)
矢田 慶治  青森公立大学, 教授 (60006129)
キーワードX線顕微鏡 / X線ズ-ミング管 / イメージング / 培養細胞 / 生体分子 / X線吸収スペクトル / シンクロトロン放射光 / 高解像度
研究概要

今年度の達成事項は、1)本研究の主なねらいであるX線ズ-ミング管の改造を(株)浜松ホトニクスと共同で行い完成させたこと、2)代表的な生体分子のXANESスペクトルを測定し、細胞内分子イメージングの基礎資料を得たこと、の2点である。具体的には以下の通りである。
1.X線ズ-ミング管の改造
既存のX線電子顕微鏡(浜松ホトニクス、C5333)を実用的なX線密着顕微鏡として利用するために、主として試料装着部の着脱方式を、電顕用メッシュ、窒化シリコン窓など多様な試料マウントに対応できるように改良した。この際、電子光学的な問題が起きないように配慮した。その他の改良点として、安全装置の設置、拡大率(分解能)の向上を行った。
2.生体分子のXANES測定
分子特有のXANES構造(特に共鳴ピーク)を見いだすことを目標に、核酸(DNA、RNA)、蛋白質(アルブミン、ヒストンなど)、糖(シアル酸)のXANESをC、N、O、P、SのK吸収端にて測定した。測定は文部省高エネルギー物理学研究所放射光実験施設BL-11A,Bの単色軟X線を利用した。核酸と蛋白質に関して、C、N吸収端にて蛋白質には観察されない核酸特有の共鳴ピークが検出された。また、O吸収端では核酸、蛋白質ともに同一エネルギーの共鳴ピークが観察されたがその比が大きく異なっていた。これらの構造の違いは、細胞核内のDNAを蛋白質と分離してイメージングできる可能性を示唆するものである。さらに核酸のイメージングにはP吸収端での共鳴ピークも利用できると考えられる。一方、Fe、Sの微量元素に関しても、これらを含む蛋白質においてFeのL吸収端、およびSのK吸収端にて微弱ではあるがXANESピークが検出された。次年度はXANESから得られた情報をもとに実際にズ-ミング管により生物試料のイメージングを行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kunio Shinohara: "X-ray holographic microscopy of biological specimens with an electronic zooming tube" J. Synchrotron Radiation. 3. 35-40 (1996)

  • [文献書誌] Atsushi Ito: "Measurement of soft X-ray absorption spectra and elemental analysis in local regions of mammalian cells using an electronic zooming tube" J. Microscopy. 181. 54-60 (1996)

  • [文献書誌] 篠原 邦夫: "X線顕微鏡" 細胞. 27. 543-546 (1995)

  • [文献書誌] 篠原 邦夫: "X線顕微鏡による細胞の観察" 生物物理. 35. 31-33 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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