研究課題/領域番号 |
07508001
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
篠原 邦夫 東京大学, 医学部, 教授 (10112088)
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研究分担者 |
本田 捷夫 千葉大学, 工学部, 教授 (10016503)
伊藤 敦 東海大学, 工学部, 助教授 (80193473)
矢田 慶治 青森公立大学, 経営経済学部, 教授 (60006129)
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キーワード | X線顕微鏡 / X線ズ-ミング管 / イメージング / 培養細胞 / 生体分子 / X線吸収スペクトル / シンクロトロン放射光 / 高解像度 |
研究概要 |
今年度の達成事項は、X線ズ-ミング管を利用したX線密着顕微鏡を高エネルギー物理学研究所放射光実験施設のブームラインに接続し、1)その性能評価を行ったこと、2)乾燥状態の哺乳動物培養細胞の観察を試みたこと、3)代表的な生体分子のXANESスペクトルよりそのピーク位置を求め、それを利用した細胞の観察を試みたこと、の3点である。具体的には以下の通りである。 1.X線ズ-ミング管の性能評価 昨年度の改造で操作性が格段に改善されていることが確認された。また、フォトン計数モードで測定すれば、計数範囲が3桁以上にわたって直線性を保持できること、分解能は0.5μm程度、測定効率0.2-1%程度という数値が得られた。この結果は、期待値よりもやや低いので、その原因等についてさらに検討を加え、次年度にさらに改良を加えることを計画している。なお、本年購入した備品は、昨年度まで、放射光施設等より借用して利用していたもので、本年度購入することによって、装置全体として、完成させることができた。 2.乾燥状態の哺乳動物培養細胞観察の試み 試料及び光電変換面に窒化シリコンを用いることによって、細胞観察像の画質が格段に改善された。広い波長範囲にわたる観察による元素分析については、精度の向上を試みたが、まだ、S/Nが十分と判定できる結果を得ることはできなかった。その一つの原因は光源強度にあると思われるが、上述の測定効率が低い点にも改善の余地があるであろう。さらに検討したい。 3.XANESピークを利用した細胞の観察の試み 昨年度求めた生体高分子のXANES構造(特に共鳴ピーク)を基礎に、細胞内DNA、蛋白質、等の画像化を試みた。光源強度の問題で、高拡大像を得ることが難しかったが、PのXANESピークを利用した、分裂期の細胞内のDNAの画像化の可能性が示唆された。さらに検討を加えたい。
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