| 研究分担者 |
末松 誠 慶応義塾大学, 医学部, 専任講師 (00206385)
石村 巽 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (40025599)
小林 紘一 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (80051704)
武岡 真司 早稲田大学, 理工学部, 専任講師 (20222094)
西出 宏之 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90120930)
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| 研究概要 |
平成7年度では,交換輸血試験(40%,90%)や摘出肝臓の潅流試験を実施,微小酸素電極や蛍光顕微鏡を用いた末梢組織への酸素供給に関する知見から,赤血球代替物の酸素運搬能力を評価した.
1.麻酔ラットに対しHb小胞体生理食塩水分散液を用い40%交換輸血試験を行った.ポーラログラフィー微小電極にて測定した腎皮質および各部骨格筋の酸素分圧は,同Hb濃度の赤血球を投与した場合とほぼ同等の推移を認めた.血圧および血液ガス組成の推移も同等であった.酸素を結合できないメト化Hb小胞体あるいは生理食塩水投与群とは明らかに有意差が認められた.
2.Hb小胞体アルブミン分散液による90%交換輸血試験では,パルスドップラー流量計を用いて血流量を観測した.アルブミン単独系の投与群では交換率と共に血管抵抗が低下し,血流量増大が認められるものの,末梢酸素分圧は徐々に低下,交換率70%から血圧,血流量が急減して死亡(供給酸素不足による)する.他方,Hb小胞体投与群では前述のパラメータが安定に推移,生存率100%として投与系の安全性も実証された.
3.肝潅流試験は,組織酸素分圧に応じた細胞内NADHの蛍光消光挙動を画像処理システムを用いて観測,Hb小胞体の潅流により組織への酸素運搬を微小循環と関連させた観測も可能とすることができた.
4.PEG鎖あるいはオリゴ糖鎖にて表面修飾したHb小胞体をアルブミンに分散させた系の溶液物性をキャピラリー粘弾性測定を用いて解析し,修飾により小胞体の凝集が抑制され循環特性が向上することを明らかにした.更に修飾系の90%交換輸血試験結果から血流動態の改善を確認した.
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