研究課題/領域番号 |
07509002
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
山田 廣成 立命館大学, 理工学部, 教授 (10268162)
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研究分担者 |
霜田 光一 東京大学, 名誉教授
保坂 将人 岡崎分子科学研究所, 極端紫外光施設, 助手 (60290897)
伊藤 寛 香川大学, 教育学部, 教授 (60112249)
高山 猛 住友重機械量子研, 主任研究員
浜 広幸 岡崎分子科学研究所, 極端紫外光施設, 助教授 (70198795)
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キーワード | 光蓄積リング / 小型電子蓄積リング / 自由電子レーザ / 高輝度遠赤外線 / 高輝度ハードX線 / 遠赤外線化学反応 / 動脈硬化物質融解 / 遠赤外分光 |
研究概要 |
光蓄積リング開発の現状は以下のとうりである。1)蓄積リング用磁石は、磁場測定を実施し、設計どうりの磁場分布を確認した。2)加速空洞は、モード測定を実施し、電場分布及び固有周波数を最適化する手法を確立し、パワーの投入に成功した。3)パ-タベータ用パル電源を完成し磁場測定を実施し、設計どうりであることを確認した。また、4)真空槽を完成した。5)SiC光共振器の製作は、遅れているが、真円度0.1ミクロンを達成する見込みである。入射器の購入は、予算的に不可能となったため、岡崎分子科学研究所との共同研究を推進して、UVSORの入射器を利用することにした。装置は、現在岡崎に設置している。この6月を目処にBT系の製作(分子研負担)を進め、夏には入射実験を行う予定である。 光蓄積リングによる超高輝度遠赤外線発生を控えて、今年度は、光利用計画の検討を進めた。医学利用では、動脈硬化の治療が考えられる。動脈硬化は、コレステロールと脂肪酸が結合したものであり、その結合エネルギーが波長にして5ミクロンであるところから、遠赤外線でこれを切断することに期待が持たれる。熱化学反応を、特定の遠赤外線を用いて非可逆に行うことは、化学合成に重大な革新をもたらすが、その可能性につき検討をおこなった。高輝度遠赤外線光源の出現は、分光の分野にも変革をもたらす。分光のSN比が10^6になることにより、不可能であった水の測定が可能になること、光蓄積リングのパルス幅がサブピコ秒になることを利用して、時間領域での測定に変革がもたらされること等を検討した。ホトンエコーによる寿命測定は、インコヒーレントなSR光を用いても実施できることが明らかになっているが、遠赤外領域でのホトンエコーを実施することの意義について検討した。遠赤外線にたいする関心は、最近徐々に高まっている。97年春の物理学会では、量エレで特別シンポジュームを企画している。研究代表者が特別講演を行う予定である。
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